「犬は冬に服を着せたほうがいいですか?」
「冬におすすめの犬用の服はあるのでしょうか?」
冬になると、散歩中の気温差によって体が冷えやすい犬もおり、なかでも短毛種や小型犬は外気の影響を受けやすいことがあります。被毛があるため寒さに強いと考えられることもありますが、犬種や生活環境によっては低い気温では体温を保ちにくいケースがあるため、冬の散歩では服装の工夫が必要になることがあります。そのため、犬と暮らすなかで、冬に適した服装をどのように選ぶべきか悩むかたも多いですよね。
この記事では、冬の散歩で服が必要かどうか悩んでいるかたに向けて、犬種別の寒さへの強さや、散歩に適した冬服の種類と選び方、注意点までをまとめています。犬の体に無理のない形で寒さ対策を行うための基礎知識として、冬の散歩で役立つ情報をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
※2025年12月9日時点の情報です。
犬の冬の散歩に服は必要?判断のポイントは?
「犬は寒さに強い」と考えられることもありますが、すべての犬が冬の気温に適応できるわけではありません。室内で過ごす時間が長い環境では、外気温との温度差により体が冷えやすくなる場合があります。犬に冬服が必要かどうかを判断する際は、犬種、体格、気温など複数の条件を組み合わせて考えることが大切です。
寒さに弱い犬種と体格の特徴
「シングルコート」と呼ばれる下毛のない犬種や、被毛が短い犬種は外気温の影響を受けやすく、冬の散歩では体が冷えやすい傾向があります。チワワやトイ・プードルなどの小型犬は地面との距離が近く、冷気の影響を受けやすい点も特徴です。また、筋肉量が少ない体格の犬、成長過程にある子犬、体温調節が低下しやすい高齢犬では、寒さ対策を検討する必要があります。
外気温と天候で判断する目安
短毛種や小型犬では、気温が10℃前後でも震えや動きの鈍さが見られることがあります。気温が5℃を下回る日や、冷たい風が強い日、雨や雪によって被毛が濡れやすい状況では、体温が低下しやすいため冬服の着用が役立ちます。日中は日差しによって体感温度が変わるため、気温だけでなく風の強さや日照なども合わせて確認すると判断しやすくなります。
犬が見せる「寒い」のサインを見逃さない
寒さを感じている犬は、体の動きや姿勢に変化が表れることがあります。
- 小刻みに震える
- 散歩中に立ち止まる、歩くのを嫌がる
- 背中を丸めて縮こまる
- 水を飲まない
- 飼い主の足元に寄り添って離れない
これらの行動が見られると犬が寒がっているサインです。こうした様子が見られる場合は、散歩を短めに切り上げるなどして体を冷やさないよう配慮することが大切です。
犬の冬服を選ぶ4つの重要ポイント
犬の冬服を選ぶ際に、見た目の印象だけで判断してしまう場合があります。しかし実際には、散歩中の快適さや体温の維持を考えると、素材や構造などの機能面を確認することが欠かせません。冬の散歩を無理なく行うためには、犬種や体格、天候に合わせて選ぶことが大切です。ここでは、冬服を選ぶ際に押さえておきたい4つのポイントを整理します。
犬種や被毛のタイプで素材を選ぶ
犬種や被毛の量によって、適した素材は異なります。短毛種のように体が冷えやすい犬では、内側にフリースやボアを使用した保温性の高いタイプが向いています。一方で、毛量が多い犬種では、裏起毛によって毛玉や静電気が起きやすくなる場合があります。長毛種には、裏地が滑らかな素材や静電気を抑える加工が施されたウェアを選ぶと、着脱時の負担を軽減できます。
散歩に向く素材(撥水・防風・中綿など)
冬の散歩では、冷気や風、雨雪による体温低下を防ぐため、素材の特性が重要になります。風が強い日は、防風性のあるナイロン素材や中綿入りウェアが体温保持に役立ちます。雨や雪が多い地域では、撥水加工が施された服が便利で、濡れによる熱の放散を抑える効果があります。濡れたままの服を着続けると体が冷えやすくなるため、散歩後は早めに乾いたものに替えることが望ましいです。
正しいサイズ計測でぴったりの一着を
犬の服選びでは、サイズの不一致が起こりやすいとされています。メーカーやブランドごとに寸法が異なるため、数字だけで判断せず、実際に犬の体を計測することが欠かせません。「首周り」「胴回り(前足付け根の最も太い部分)」「着丈(首の付け根から尾の付け根まで)」の3か所を基準に測定します。動きやすさを確保するため、指が2本分が入る程度のゆとりを意識すると、散歩中も体への負担が少なくなります。
安全性と機能性も忘れずにチェック
冬服を選ぶ際は、安全面にも注意が必要です。ボタンや紐などの装飾が多い服は、噛んで引きちぎってしまい誤飲につながることがあります。特に、物を噛みやすい傾向のある犬では、シンプルな構造のウェアが適しています。また、背中側で留めるタイプは頭を通さずに着用でき、服が苦手な犬にも使いやすい点が特徴です。リードホールの位置が普段使用しているハーネスと合うかどうかを確認することも、散歩中の安全につながります。
犬の冬服おすすめ6選!散歩に使いやすいウェア
犬用の冬服にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴や適したシーンがあります。「どれを買えばいいか分からない」という飼い主のために、散歩におすすめの冬服をまとめました。愛犬のライフスタイルに合わせて使い分けてみてください。
しっかり防寒するアウタータイプ(ダウン・コート)
ダウンジャケットや中綿コートなどのアウタータイプは、何と言っても防寒性の高さが魅力です。風を通さず、体温をしっかりと閉じ込めてくれるため、気温が低い日や風が強い日の散歩に適しています。マジックテープで簡単に着脱できるものが多く、ハーネスの上から羽織れるタイプもあります。ただし、生地に厚みがあるため、サイズが合わないと動きにくくなる点には注意が必要です。
サイズ:L、XL
主な素材:コットン
ハーネスと防寒コートが一体になった、寒い季節のお出かけに最適な犬用ベストです。厚手の中綿が犬の体を暖かく包み込み、表地は防水仕様なので雨や雪の日でも散歩を楽しめます。着脱が簡単で機能性にも優れており、愛犬との冬の暮らしを快適にサポートします。
サイズ:S、M、L、LL、SM
主な素材:コットン, ポリエステル, ポリエチレンテレフタラート
お腹部分に留め具があり、頭を通さずにスムーズに着脱ができ、服が苦手な犬にもおすすめのダウン風ジャケットです。表地には撥水加工が施されており、雨や雪の日でも汚れにくく、毎日のお散歩で気兼ねなく使用できます。首元にはリードを通せる穴が付いているので、普段使っているハーネスや首輪の上からそのまま着用可能です。袖がないため、ダックスなどの手足が短い犬種にもおすすめです。
動きやすいウェアタイプ(ニット・フリース)
セーターやフリース、トレーナーなどのウェアタイプは、柔らかく伸縮性があるため、犬の動きを妨げにくいのが特徴です。体にフィットしやすく、秋口や初冬の散歩、または室内での寒さ対策としても活躍します。デザインも多く、重ね着のインナーとしても使えますが、風を通しやすい素材が多いため、極寒の日の屋外ではアウターとの併用がおすすめです。
サイズ:S、M、L、XL
主な素材:ポリエステル
小型・中型犬用のニットセーターで伸縮性があるため、負担なく着やすいウェアです。軽量で動きやすく、袖口のリブ仕様が体にほどよくフィットするため、散歩だけでなく室内の防寒にも使いやすい点が特徴です。頭からかぶるタイプで着脱もシンプルです。
サイズ:XS、S、M、L、XL
主な素材:ポリエステル
もこもことした肌触りの良い素材が愛犬を優しく包み込み、寒い季節でも暖かく過ごせるペット用ウェアです。柔らかく軽量な生地を使用しているため動きやすく、お散歩だけでなく室内での部屋着や抜け毛対策としても適しています。機能性と可愛らしいデザインを兼ね備え、秋冬の毎日を快適に彩ってくれる一着です。
全身を覆う機能性ウェア(ロンパース)
足まで覆う「つなぎ」タイプのロンパースは、保温性が非常に高く、体全体を寒さから守れます。また、雪玉が毛につくのを防いだり、泥汚れを防止したりする効果もあるため、雪遊びやアウトドアシーンで重宝します。一方で、着せるのに手間取ることが多く、サイズ選びもシビアです。また、慣れていない犬にとっては拘束感がストレスになることもあるため、伸縮性の高い素材を選び、少しずつ慣れさせることが大切です。
サイズ:S、M、L、XL
主な素材:フリース
柔らかく暖かいふんわりフリース素材を使用し、愛犬の全身を優しく包み込んでくれるロンパースタイプのドッグウェアです。4本足のデザインでお腹までしっかりカバーできるため保温性が高く、抜け毛の飛散防止や部屋着、パジャマとしても適しています。伸縮性があり動きやすいため、寒い季節のお散歩から室内でのリラックスタイムまで幅広く活躍してくれます。
主な素材:ポリエステル
洋服にDカンがついているため、リードをつけるだけでサクッと散歩に行ける、お出かけに便利なロンパースタイプのドッグウェアです。全身を包み込むつなぎスタイルと暖かい素材が愛犬を冷気からしっかり守り、背中のファスナーで着脱も簡単に行えます。機能性とデザイン性を兼ね備え、寒い季節も愛犬と暖かくアクティブに過ごせる一着です。
犬が嫌がらないために知っておきたい冬服の注意点
冬の冷え込みから体を守る目的で服を着せても、着用方法によっては犬に負担がかかり、ストレスや皮膚のトラブルにつながる場合があります。犬にとって服を着ることは日常的な動作ではないため、体への影響や気持ちの変化に配慮することが重要です。ここでは、冬服を使用する際に避けたい行動と注意点を整理します。
長時間の着用は皮膚トラブルの原因になる
室内でも長時間服を着続けていると、蒸れや摩擦が起こり、毛玉や皮膚の赤みにつながることがあります。乾燥が進む冬は静電気が発生しやすく、皮膚への刺激も増えやすい季節です。散歩から戻ったあとは服を脱がせ、被毛を整えながら皮膚の状態を確認する習慣を付けると安全です。
装飾品の誤飲に注意する
ボタンやビーズ、リボンなどの装飾が付いた服は見た目の印象は良い一方で、誤飲の危険があります。気になる物を噛んだり引っ張ったりして、装飾をかじって飲み込む事故が起こる可能性があります。特に留守番中のように目が届かない状況では、装飾の少ないシンプルな構造の服が適しています。
初めて着る場合は短時間から慣れさせる
服に着慣れていない犬に対して、袖付きの服を長時間着せるなど急に負担の大きい着用を行うと、服そのものを嫌がる原因になりやすいです。最初はタンクトップ型や背中で留めるマント型など動きやすい服から始め、室内で数分だけ着せるなど短時間で慣れる練習が効果的です。おやつや散歩などの楽しい経験と結びつけながら、少しずつ着用時間を延ばすと受け入れやすくなります。
犬の冬の散歩に役立つ寒さ対策
冬の冷えから犬を守る方法は、服を着せることだけではありません。散歩の時間帯やルート、日々のケア、室内環境の整え方など、複数の要素を組み合わせることで、犬はより快適に冬を過ごせます。ここでは、服以外で実践できる寒さ対策をまとめます。
散歩の時間帯やルートを工夫する
冬の散歩は、できる限り気温が上がりやすい11時〜14時頃の日中が適しています。早朝や夜間にしか散歩できない場合は、時間を短めに調整する方法もあります。また、風が強い場所や日陰が続くルートは体温が奪われやすいため、日当たりがよく風が穏やかな道を選ぶことが望ましいです。外に出る前に廊下や部屋で軽く動いて体を温める準備運動を行うと、寒さによる負担を減らせます。
肉球の乾燥やしもやけをケアする
冬のアスファルトや雪道は乾燥しやすく、肉球に刺激が加わりやすい環境です。乾燥やひび割れのほか、強い冷えによってしもやけのような症状が見られることもあります。散歩後はぬるま湯で足を洗い、よく乾かしたあとに肉球用の保湿剤を塗ってケアを行うと皮膚を守りやすくなります。赤みや腫れが続く場合は、動物病院で早めに相談することが望ましいです。
室内でも暖かく休める寝床を用意する
散歩から戻ったあと、犬が落ち着いて過ごせる暖かい場所を室内に整えることも冬の快適さにつながります。窓際は冷気が入り込みやすいため、ベッドやケージは窓から少し離れた場所に置くことが基本です。普段のベッドにフリース素材の毛布を追加したり、ペット用の湯たんぽや低温設定のホットカーペットを組み合わせたりして、底冷えを防ぐ環境を整えます。犬が自分で移動して体温を調節できるよう、暖かい場所と温度の低い場所の両方を確保しておきましょう。


まとめ|犬の冬の散歩に役立つ服選びと寒さ対策
犬が冬の散歩で服を着る必要性は、犬種や体格、年齢、当日の気温や風の強さなどの条件によって変わります。寒さの影響を受けやすい犬では、防寒性のある服を活用することで体温を保ちやすくなります。また、服だけに頼るのではなく、散歩の時間帯の調整や肉球ケア、室内環境づくりなど、複数の対策を組み合わせることが重要です。犬それぞれの特徴に合わせて寒さ対策を行い、冬の散歩を無理なく続けられる環境を整えていきましょう。
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▼参考文献
みんなのブリーダー.“犬に暖房・ヒーターを使う際の注意点 愛犬の寒さ対策のポイント”.https://www.min-breeder.com/magazine/15644(参照 2025-12-09)
わんちゃんホンポ.“犬が寒いと感じる温度は何度?秋冬の適切な温度や対策方法について”.https://wanchan.jp/living/detail/12713(参照 2025-12-09)

