「ブラッシングを嫌がる猫への対策はあるのでしょうか?」
「ブラッシングが嫌いな猫におすすめのブラシは?」
猫の健康と被毛の美しさを保つために欠かせないブラッシング。特に春や秋の換毛期には、抜け毛対策としても重要なケアです。しかし、なかにはブラッシングを嫌がる猫もいて、飼い主さんを悩ませています。
この記事では、猫がブラッシングを嫌がる原因を探り、猫に合ったブラシの選び方から、嫌がる猫でも徐々に慣れてくれるコツまで詳しく解説します。愛猫との信頼関係を深めながら、ブラッシングを快適な時間に変えていきましょう。
※2025年6月3日時点の情報です。
猫がブラッシングを嫌がる原因
猫がブラッシングを嫌がる理由は一つではありません。まずは、愛猫が「なぜ」ブラッシングを避けるのかを理解するようにしましょう。
不適切なブラシの使用や、誤ったブラッシング方法
多くの場合、猫がブラッシングを嫌がる原因は、その猫に合っていないブラシを使用していることです。特に、硬すぎるブラシや、毛質に合っていないブラシは、猫の皮膚を傷つけたり、不快感を与えたりします。
また、力加減が強すぎたり、毛の流れに逆らってブラッシングしたりするなど、ブラッシングの方法を誤っていると、猫は痛みや不快感を感じてブラッシングを嫌がるようになります。
ケガや病気による痛みや不快感
猫がブラッシングを嫌がる原因として見落としがちなのが、猫が何らかの身体的な痛みを抱えている可能性です。特に高齢猫では、関節炎などの痛みを抱えていることがあり、特定の姿勢でブラッシングされると痛みを感じることがあります。
また、皮膚疾患を抱えている場合も、ブラッシングによって痛みや不快感が生じます。猫が突然ブラッシングを嫌がるようになった場合は、体調の変化を疑い、獣医師に相談することも検討しましょう。
環境・タイミングの不適切さ
猫は環境の変化に敏感な動物です。落ち着かない環境や、猫がリラックスしていないタイミングでブラッシングを試みると、拒否反応を示すことがあります。
猫がリラックスしているタイミングを見計らい、静かで落ち着いた環境でブラッシングを行うようにしましょう。
ブラッシングのトラウマや、触られることが嫌
過去に無理やりブラッシングされた経験や、痛い思いをした経験がある猫は、トラウマからブラッシングに対して恐怖心を抱いていることがあります。
また、子猫のころからブラッシングや人との触れ合いに慣れていない猫も、ブラッシングを不安に感じやすいものです。特に保護猫や、社会化が不十分な環境で育った猫では、このようなケースが多く見られます。
ブラッシングに慣れていない
子猫のうちは、まだブラッシングに慣れておらず、嫌がるケースが多いです。まずは、体を触られることに慣れさせたり、ブラシを怖がらないように、遊ばせたりしましょう。
ブラッシングが嫌いな猫のためのブラシの選び方
猫がブラッシングを受け入れやすくするために、その猫に合ったブラシを選ぶようにしましょう。ここでは、ブラッシングが嫌いな猫のためのブラシ選びのポイントを詳しく紹介します。
猫の毛質に合わせて選ぶ
猫の被毛は、短毛種と長毛種で大きく異なります。さらに、同じ短毛種でも、毛の密度や硬さはそれぞれ違います。猫の毛質に合っていないブラシは、ブラッシングの効果が低くなるいだけでなく、猫に不快感を与える原因にもなります。
短毛種の猫に適したブラシ
- ラバーブラシ:柔らかいゴム製の突起で、優しくマッサージしながら抜け毛を取ります。同じ場所をやりすぎると皮膚に炎症を起こす場合がありますので注意が必要です。
- マイクロファイバー手袋:手で撫でるような感覚でブラッシングできるため、ブラッシングに慣れていない猫にも適しています。
- スリッカーブラシ(柔らかめのもの):毛玉や毛の絡まりをとるのに適しています。
長毛種の猫に適したブラシ
- 目の粗いコーム:毛玉や絡まりを解くのに有効です。
- スリッカーブラシ:換毛期の抜け毛を効率的に取り除きます(ただし、あまりに頻繁に使用すると皮膚を傷つける恐れがあるため注意が必要)。
- ピンブラシ:絡まりを防ぎ、アンダーコートの抜け毛を取り除きます。
まずは猫の毛質をよく観察し、それに最適なブラシから試してみましょう。
小さめで丸みのあるデザインを選ぶ
ブラッシングを嫌がる猫には、大きなブラシは威圧感を与えることがあります。小さめで持ちやすく、猫にも圧迫感を与えないデザインのブラシがおすすめです。
また、慣れないうちは、コームやブラシの先端が丸いものがおすすめです。
柔らかい素材を選ぶ
ブラッシングを嫌がる猫には、素材の柔らかさで選ぶようにしましょう。硬すぎるブラシやくしは、猫の敏感な皮膚を傷つけたり、不快な刺激を与えたりします。
柔らかいシリコン製やゴム製のブラシは、マッサージ効果が期待でき、猫がリラックスしやすいという利点があります。特に、ブラッシング初心者の猫には、このような柔らかい素材のブラシから始めることをおすすめします。
ブラッシングを嫌がる猫におすすめブラシ7選
猫の毛質や好みに合ったブラシを使えば、嫌がらずにブラッシングを受け入れてくれるようになります。ここでは、猫に優しく、効果的にブラッシングができるおすすめのブラシを紹介します。
毛玉をやもつれを取るのにおすすめのスリッカーブラシ
素材:剛毛素材:ステンレス+合成ゴム(TPR)、ハンドルの素材:アクリロニトリルブタジエンスチレン
aumuca(アウムカ)のペット用ブラシは、中毛〜長毛の猫におすすめのスリッカーブラシです。抜け毛を取り除きながら、毛のもつれを軽減します。柄のボタンを押すとブラシ部分に溜まった抜け毛を簡単に取れるため、お手入れも楽にできます。人体工学に基づいたデザインで操作が簡単なうえ、先端がゴム性の丸いビーズピンで柔らかいのが特徴です。
剛毛素材:ステンレススチール、ハンドルの素材:アクリロニトリルブタジエンスチレン
GULIGULI(グリグリ)のスリッカーブラシは、あらゆる毛質の猫に適した多機能ペットブラシです。184個の丸いマッサージビーズが抜け毛を取り除きながら、お肌に優しくまるでスパのような心地よさを提供します。人間工学に基づいた16.1°の曲がりハンドルで疲れにくく、使い終わった後もボタンを押すだけで抜け毛を簡単に除去できます。
剛毛素材:ステンレススチール、ハンドルの素材:プラスチック
「ペット用ブラシ ペットが大好きな魔法のブラシ」は、愛猫のブラッシングを格段に快適にするペットブラシです。140°のカーブデザインでペットの皮膚にフィットし、ブラシのピンが220本もあるため、抜け毛を効率よく取り除きます。短毛〜長毛までどちらにも使え、24か月の保証付きなのも嬉しいポイントです。
短毛向け|抜け毛を取るのにおすすめのラバーブラシ
「シリコンブラシ トレルンダ君 猫用 短毛」は、触れられることに抵抗を示しやすい猫の性質に配慮したブラシです。柔らかいシリコンゴム素材で作られており、肌に優しくマッサージ効果もあるため、皮膚の弱い高齢猫にも適しています。手にバンドを通してなでるように使えるため、飼い主も疲れにくいのが特徴。
「ペットキレイネコペロブラシ」は、猫の舌の表面構造をモデルに開発された猫用ボディブラシです。斜め毛先が無理なく被毛の奥まで入り込み、やさしく抜け毛をキャッチするため、猫が気持ちよくブラッシングできます。猫舌が唾液を薄く広げるのと同様の動きで、気持ちよくブラッシングできます。
長毛向け|毛玉や絡まりを解くおすすめのコームブラシ
素材:天然木、ステンレス
Petnerのペット用コームは、長毛・短毛それぞれの被毛に対応した2本セットのブラシで、猫の毛質に合わせたケアが可能です。獣医師監修のもと設計されており、猫の肌にやさしくフィットする丸型ピンを採用。皮膚への刺激を抑えながら、抜け毛やもつれをスムーズに取り除けます。長毛種でも引っかかりにくく、嫌がることが少ない構造が特徴です。
長毛向け|毛並みを整えるおすすめのピンブラシ
「ブラシを嫌がる猫もとろける魔法のブラシ」は、シリコン素材の柔らかなブラシヘッドを採用しています。ブラシ中央に埋め込まれた除電繊維により静電気が発生しにくいため、冬場でも猫に不快感を与えにくく、ブラッシング時のストレスを軽減できます。抜け毛をしっかり絡め取る設計で、日常のお手入れも効率的。嫌がる仕草が多い猫とのブラッシング習慣の第一歩としておすすめです。
ブラッシングの正しいやり方
どんなに良いブラシを選んでも、ブラッシングの方法が適切でなければ、猫は嫌がってしまいます。ここでは、猫にストレスを与えない正しいブラッシング方法を紹介します。
短毛種の場合
短毛種の猫のブラッシングは、週に1〜2回程度、換毛期には頻度を増やすとよいでしょう。
- 猫が好きな場所を撫でるところから始め、徐々にブラシを入れる
- 毛の流れに沿って、頭から背中、そして尾の方向へ優しくブラッシングする
- 特に顔周りや口元など、敏感な部位は最後に、より慎重に行う
- 短い時間から始め、猫の反応を見ながら徐々に時間を延ばす
長毛種の場合
長毛種の猫は毛が絡まりやすく、毛玉ができやすいため、ほぼ毎日のブラッシングを心がけましょう。
- 広い歯のくしで全体の絡まりをチェックし、コームブラシで大きな絡まりを丁寧にほぐす
- 次に、背中、脇腹、お腹、しっぽなど、体全体を毛の流れに沿ってブラッシングします。このとき、一か所に集中せず、全体を均等にブラッシングする
- 足や前足もブラッシングする
- 毛玉が見つかった場合は、根元から引っ張らず、少しずつほぐしていく
- 最後に、仕上げとしてソフトブラシで全体を整える
ブラッシングを猫に好んでもらうコツ
ブラッシングを猫に受け入れてもらうためには、猫の気持ちに寄り添ったアプローチが必要です。ここでは、ブラッシングを猫に好んでもらうための効果的な方法を紹介します。
段階的アプローチで徐々に慣れさせる
猫にブラッシングを受け入れてもらうようにするには、段階的に進めていくことを心がけましょう。
第1段階:ブラシに慣れる
- まずはブラシを猫の近くに置き、匂いを嗅がせたり、自分から触れるようにする
- 猫がブラシに興味を示したら、褒めたり、おやつを与えたりして良い印象を持ってもらう
第2段階:短時間のブラッシング
- 猫がリラックスしているときに、頭や背中など、触られることを嫌がらない部分から優しくブラッシングを始める
- 最初は1~2分程度から始め、猫が嫌がる様子を見せたらすぐに中止する
- ブラッシング後は必ず褒めたり、おやつを与えたりして、良い体験だったと認識させる
第3段階:徐々に時間と範囲を広げる
- 猫が短時間のブラッシングに慣れてきたら、少しずつ時間を延ばしていく
- 慣れてきたら、徐々にブラッシングする範囲を広げていく
- 猫がしっぽを振ったり、うねったり、逃げたりしたらストレスを感じているサインなので、別の日に再挑戦しましょう
猫によっては、この過程に数週間から数か月かかることもあります。焦らず、猫のペースに合わせて進めましょう。
猫をリラックスさせる環境づくりをする
理想的な環境を整えるには、まず静かで落ち着いた場所を選ぶようにしましょう。猫が普段からくつろいでいるお気に入りのベッドやソファでブラッシングを行うと、より受け入れやすくなります。
また、他の動物や小さな子どもがいる家庭では、猫が緊張しないよう、他のペットや子どもが不在の時間帯や別の場所でブラッシングを行うことも配慮すべきポイントです。
効果的なブラッシングテクニックを活用する
猫に快適なブラッシング体験を提供するためには、正しいテクニックが欠かせません。
効果的なブラッシングテクニック
- 常に毛の流れに沿ってブラッシングする
- 優しいタッチで、力を入れすぎない
- 一か所に集中せず、全体を均等にブラッシングする
- 猫の好きな部位(多くの猫は顎の下や頬、額などを触られるのを好みます)から始める
- 猫が特に気持ち良さそうにしている部分は、少し長めにブラッシングする
- お腹や足など、触られるのを嫌がる部位は、猫が十分リラックスしてから、短時間だけ行う
また、ブラッシングの前に手を温めておくと、猫に冷たい感触を与えずに済みます。手袋型のブラシを使用すれば、猫は撫でられていると感じ、より自然にブラッシングを受け入れやすくなります。
ブラッシングを習慣化&いい印象を付ける
猫がブラッシングを受け入れるようになったら、定期的に行って習慣化していきましょう。
ポイントは、ブラッシングを毎日同じ時間帯に短時間でも行うことで猫にとって予測可能な日課にすることです。また、猫の好きな遊びと組み合わせることで楽しい時間の一部としてブラッシングを位置づけることも効果的です。ただし、猫の気分が乗らない日は無理強いせず、別の日に延期するという柔軟な姿勢も忘れないようにしましょう。
まとめ
ブラッシングは猫の健康を守り、抜け毛を減らし、飼い主との絆を深めるケアです。しかし、多くの猫がブラッシングを嫌がるという課題があります。
焦らず、猫のペースに合わせて、ポジティブな経験を積み重ねていくことが、ブラッシングを猫に好んでもらうための鍵です。愛猫との信頼関係を深めながら、ブラッシングの時間を共に楽しめるよう、この記事のアドバイスを参考にしてみてください。
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▼参考文献
ねこのきもち WEB MAGAZINE.“猫がブラッシングを嫌がる理由は飼い主さんにあった 嫌がるからとブラッシングしないデメリットは”.https://cat.benesse.ne.jp/withcat/content/?id=140984(参照 2025-06-03)
子猫ブリーダーナビ.“猫にブラッシングは必要?嫌がる場合は?頻度・やり方”.https://www.koneko-navi.jp/column/how-to-care/brushing/(参照 2025-06-03)
あいづま動物病院.“自宅でも出来る猫のお手入れ方法 〜ブラッシング編〜”.https://aizuma-vet.com/news/p594/(参照 2025-06-03)
にゅうた動物病院.“病気による抜け毛には要注意 ~犬や猫の抜け毛対策について~”.https://nyuta-ahp.com/column/column-436/(参照 2025-06-03)
ホームトリマー.“猫のトリミングは可能?嫌がらせずに仕上げる技術とは!”.https://hometrimmer.net/%E8%A8%98%E4%BA%8B/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%9E%E3%83%BC/%E7%8C%AB%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0/#co-index-25(参照 2025-06-03)