猫が頻繁に体を掻いている姿を見ると、飼い主としては心配になるものです。その原因としてよく挙げられるのが「ノミ」です。ノミは放置すると猫の皮膚炎やアレルギーを引き起こすため、早めの対策が大切になります。
この記事では薬剤を使わずに安全に対策ができる「猫のノミ取りブラシ」について、メリットや選び方をご紹介します。
※2025年4月30日時点の情報です。
猫のノミ取りブラシを使うメリット
猫のノミ取りブラシは、猫にとって負担が少なく、安全性の高いノミ対策です。ブラシを使ったケアを行うことで得られる主なメリットは以下の3つです。
- 薬剤を使わず安全にノミ対策ができる
- 猫の皮膚や毛並みの健康維持ができる
- 猫とのコミュニケーションの機会が増える
薬剤などを使用せず安全にノミ対策ができる
猫のノミ取りブラシの最大のメリットは、薬剤を一切使わずにノミを減らせることです。一般的なノミ駆除薬には殺虫成分が含まれているため、猫の体質によっては皮膚トラブルやアレルギー反応を引き起こすリスクがあります。
その点、ノミ取りブラシなら薬剤に頼らず物理的にノミを取り除けるため、猫への負担が軽減できます。特に敏感な体質の猫や、子猫、高齢の猫に対しても使えるのが魅力です。また、飼い主自身も薬剤の安全性を心配する必要がなく、気軽にノミ対策を行えます。
猫の皮膚や毛並みの健康維持につながる
ノミ取りブラシは薬剤を使用しないため、猫の皮膚への刺激や副作用の心配がありません。特に敏感肌やアレルギーがある猫にとっては最適な選択肢です。
また、妊娠中の猫や子猫にも安全に使用できるため、薬剤を避けたい飼い主にも向いています。
猫とのコミュニケーション機会になる
猫にとってブラッシングは飼い主とのコミュニケーションの一環でもあります。
やさしくブラッシングをすることで猫がリラックスし、飼い主との信頼関係が深まりやすくなり、日常的なスキンシップが習慣化されることで猫のストレス軽減にも役立ちます。
猫のノミ取りブラシを使うデメリット
ノミ取りブラシは、ノミの数を減らすことはできますが、デメリットもあります。
- 薬剤を使うより時間がかかる
- 完全には取り除けない
ノミが被毛の根元に卵を産み落とした場合、ブラシですべてを取り除くことは難しい場合があります。ノミ駆除薬とシャンプーを併用して、シャンプー後のノミの数を減らすためにノミ取りブラシを使うのがおすすめです。
時間がかかる
ノミ取りブラシは安全にノミを取り除ける反面、薬剤に比べてどうしても手間と時間がかかります。猫の毛を丁寧にブラッシングしながらノミを取り除いていくため、特に被毛の密度が高い猫の場合、完了までに長時間かかることがあります。
忙しい毎日の中で、毎回しっかりブラッシングするのはなかなか大変なものです。途中で猫が嫌がってしまうこともあるため、定期的に根気強く行う必要があります。
時間をかけることが難しい場合は、ブラシだけに頼るのではなく、薬剤やシャンプーなど他の対策との組み合わせを検討するのも一つの方法です。
薬剤とは違い、完全に取り除くことはむずかしい
もう一つのデメリットは、ブラシだけではノミを完全に駆除しきれないことです。薬剤を使うと、猫の身体に付着したノミやその卵までまとめて駆除できます。しかし、ブラシを使った物理的な除去ではどうしても毛の奥深くや皮膚に隠れたノミを完全に取り除くのは難しいものです。
ノミは一度発生すると非常に繁殖力が強く、すぐに増えてしまうため、一度ブラッシングで取り切れたように見えても数日後には再び見つかる可能性があります。
そのため、ブラシを使ったケアはあくまで日常的な予防や補助的な対策として捉え、症状が重い場合や完全駆除を目指す場合は、動物病院で相談し薬剤を併用するのがおすすめです。
猫のノミ取りブラシの選び方
猫のノミ取りブラシを選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- コームの目はなるべく細かいものを選ぶ
- 丈夫で安全な素材を採用したブラシを選ぶ
それぞれのポイントを詳しく解説します。
コームの目が細かいものを選ぶ
ノミやその卵は非常に小さいため、コームの目が細かくないと効果的に取り除けません。特に目の細かいステンレス製のブラシはノミの除去に適しています。
また、目が細かいブラシは毛に付着したゴミやフケなどの細かい汚れもしっかりとキャッチできるメリットがあります。
安全性と耐久性がある素材を選ぶ
ブラシの素材は猫の肌に直接触れるため、安全性が非常に重要です。尖ったピンはブラッシング時に猫の皮膚を傷つける恐れがあるため、安全面においては先端が丸いピンのものや先端処理済みのものを選ぶとよいでしょう。また、耐久性に優れたステンレス製のコームは清潔に保ちやすく、長く使うことができます。
おすすめの猫ノミ取りブラシ5選
猫のノミ対策は飼い主にとって悩ましい問題です。毎日のケアで簡単にノミを取り除ける、おすすめの猫ノミ取りブラシを厳選して5つご紹介します。愛猫の健康と清潔をしっかり守ってあげましょう。
「ドギーマン ペットドレッサー ノミ取りグシ」は、ピン間わずか0.15mmの精密設計で、愛犬・愛猫のノミ取りや細部の仕上げに合ったノミ取りクシです。
背中部分にはラバーを貼っているため、手にフィットして滑りにくいデザインになっています。指先でつまめる絶妙なサイズ感で扱いやすく、先丸加工されたステンレスピンが被毛に優しくスムーズに入り込めるのが特徴です。ペットの肌を傷つけにくく、ノミを取り除けます。
サイズ:長さ16cm 幅3cm
「VALUE TRUST ペット コーム」は、中毛~長毛向けの高品質クロムメッキ製ブラシです。半分は粗目、半分は細目のダブル設計で、全身から顔周りまで1本でケアができます。毎日のブラッシングで抜け毛を除去し、血行促進にもつながります。愛犬猫とのコミュニケーションを深めながら、毛回りの通気性を良くすることで涙やけ予防もできます。長さ16cmの使いやすいペットグルーミングツールで、サビにくく長持ちします。
サイズ:長さ16cm 幅3cm
「RICISUNG ペットコーム ノミ取り櫛」は、丈夫でさびにくいステンレス製の細かな歯のため、ペットの抜け毛やノミを効率よく取ることができます。柄はプラスチック製で握りやすいので、力を入れすぎずにブラッシングができ、ペットも人もストレスがありません。コーム部分は曲がりにくく、コームのすき間が細いので、ノミやダニ、シラミなどもラクラクキャッチできるアイテムです。
「ペティオ (Petio) プレシャンテ のみとりコーム」は、握りやすく軽量な柄が付いているため、手が疲れにくく快適に使用できます。歯の密度が高く、ノミや細かい汚れ、抜け毛をしっかり取れます。また、猫の皮膚を刺激せず優しく梳かすことができるので、敏感な子にも使えます。日常的なブラッシングで猫のストレスを軽減し、健康的な毛並みを維持できます。
「東京ペット イギリス製のみとりコーム 柄付」は、イギリスで作られており、耐久性に優れています。ペットの毛の中に潜むノミや細かな汚れを逃さずキャッチできます。また、適度な重みと握りやすいハンドルにより、初心者でも使いやすく、毎日のケアにも使いやすいです。定期的に使用することで、ペットの毛並みが整い、皮膚の健康も保てるため、清潔で快適な状態が長く続きます。
猫のノミ取りブラシを使う際の注意点
猫のノミ取りブラシは、使い方次第で効果が大きく異なります。ノミを効果的に取り除き、猫が安心してブラッシングを受けられるためにも、以下の3つのポイントを押さえましょう。
- 力を入れすぎないようにブラッシングする
- 付着したノミや卵を清潔に処理する
- 使用後は猫の皮膚を丁寧にチェックする
これらのポイントを踏まえて、それぞれの注意点を詳しく解説していきます。
力を入れすぎないようにする
ブラシでノミを取ろうとすると、つい力が入りがちですが、過度な力は猫にとって不快です。特に細かなコーム状のブラシは、毛を引っ張りやすく、皮膚に傷をつけることがあります。力を入れず優しく撫でるように、一定の方向に動かすことがコツです。
猫の様子を見ながら、優しくブラッシングしましょう。
ブラシに付着したノミの卵や死骸をしっかり処理する
ノミ取りブラシを使うと、ブラシにノミの成虫や卵、死骸が付着します。これらを放置すると再びノミが繁殖する原因になります。
そのため、ブラッシングごとに取り除いたノミや卵をガムテープなどに付けて密封し、確実に処分しましょう。また、ブラシ自体も使い終わったら毎回熱湯やアルコール消毒をして清潔に保ちましょう。これにより、室内へのノミの拡散を防げます。
また、ノミの成虫がメスの場合は潰してしまうと卵がはじけ飛んで猫の毛や部屋に広がり増殖してしまう場合があるので、ノミは素手で取ったり潰したりしないように注意しましょう。
ブラッシング後に猫の皮膚状態を確認する
ブラッシングの後には必ず猫の皮膚をチェックしましょう。ブラシによる刺激で皮膚が赤くなったり、小さな傷ができたりしていないかをよく確認します。
また、ノミの噛み跡や炎症、湿疹などの症状が見つかった場合は、早めに動物病院に相談することが大切です。定期的に猫の皮膚を確認しておくことで、病気の早期発見にもつながります。
猫のノミを予防するためにできること
猫のノミ取りブラシはノミ対策に有効ですが、同時に予防策を取ることで、より確実なノミ対策になります。ここでは効果的な3つの予防策をご紹介します。
- ノミ予防専用シャンプーの定期的な使用
- 動物病院での投薬による対策
- 猫を外に出さないことによる感染防止
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
ノミ予防シャンプーをする
市販のノミ予防シャンプーを定期的に利用することも効果的です。専用シャンプーにはノミを寄せ付けない天然成分や低刺激な薬剤が配合されており、ノミを寄せつけません。
ただし、猫は頻繁なシャンプーにストレスを感じる場合もあるため、製品説明書をよく読んで適切な頻度を守るようにしましょう。
病院での投薬をする
動物病院では、より効果的なノミ駆除薬が処方されています。獣医師による投薬は、市販品よりも効果が高いため、 特にノミの発生がピークになる春から夏にかけては、動物病院で相談し、定期的な薬剤投与を検討することが重要です。
外に出さない
猫が外に出るとノミを拾ってくるリスクが格段に高まります。
そのため、完全室内飼育を心がけ、外部からのノミ感染の機会を遮断することが基本的かつ効果的です。どうしても外出させる場合は、ノミ除け薬を使った予防策を徹底しましょう。
まとめ|猫のノミ対策にはブラシ+予防が効果的
猫のノミ取りブラシを使う際には、力加減やブラシの清掃、皮膚の状態確認など、細かなポイントを守ることが重要です。また、ブラシの使用と併せて、シャンプーや投薬、完全室内飼育などの予防策を同時に行うことで、ノミから猫を守り、健康な生活を維持できます。
飼い猫の健康を守り、安心して快適に暮らせる環境を整えるためにも、ぜひこの記事を参考に適切なノミ対策を進めていきましょう。
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参考文献
農林水産省.“動物医薬品検査所”.hhttps://www.maff.go.jp/nval/iyakutou/fukusayo/jyohou/4159.html1(参照 2025-04-30)
わんにゃん薬局.“猫のノミ・ダニ対策としてシャンプーは有効?正しいシャンプーの手順とポイントも解説!”.https://biodiversityexplorer.org/column/fleas_and_ticks/cat_flea_and_tick_shampoo/(参照 2025-04-30)
マエカワ動物病院.“犬と猫のノミ・ダニ対策について”.https://maekawaah.com/flea-tick/(参照 2025-04-30)