「猫が夜ゲージ寝るとき、冬はどのようにしたらいいのでしょうか?」
「猫は冬の夜に暖房なしでも大丈夫なのでしょうか?」
冬の冷え込みが強まる季節になると、猫と暮らすかたにとって気温管理は大きな不安材料になります。とくに夜間や留守中にケージで過ごす場合、「暖房をつけっぱなしにするのは不安だけれど、暖房なしで体に負担がかからないだろうか」と悩む方も少なくありません。猫は想像以上に寒さの影響を受けやすいため、冬の夜は環境づくりが欠かせません。とはいえ、一晩中エアコンやストーブを稼働させなくても、工夫次第でケージ内を適切な温度に保つことは可能です。
この記事では、猫が冬を安全に過ごすための基本知識と、暖房なしでできる具体的な寒さ対策をわかりやすく解説します。体への負担を減らしながら冬の夜を快適に過ごせるよう、ぜひ参考にしてください。
※2025年12月9日時点の情報です。
冬の夜を暖房なしで過ごせるか判断するために知っておきたいこと
冬の夜は気温が大きく下がりやすく、猫の体には負担がかかりやすい環境になります。暖房なしで過ごせるかどうかを判断するためには、猫がどのくらいの温度を快適と感じるのか、寒いときにどのような行動が見られるのか、そして寒さが体調にどのような影響を与えるのかを把握しておく必要があります。ここでは、冬の夜の環境づくりを考えるうえで押さえておきたい基本的なポイントをまとめます。
猫が快適に過ごせる温度は?冬に知っておきたい目安
猫が過ごしやすいとされる室温の目安は、おおむね21℃〜28℃の範囲です。ただし、湿度や風の流れによって体感温度は変化します。乾燥した空気は体の熱を奪いやすいため、湿度は40〜60%程度に保つと快適に過ごしやすくなります。
また、ライフステージや体質によって必要な温度帯は異なります。子猫やシニア期の猫は体温調節がしにくいため、成猫よりも少し高めの温度が求められます。短毛種や無毛種も同様に寒さの影響を受けやすく、冬場はとくに注意が必要です。愛猫の年齢や体質に合わせて、適切な環境づくりを意識していきましょう。
寒いときのサインはこれ。猫が見せるいつもと違う行動
猫は寒さを言葉で伝えることができませんが、行動の変化から寒さを感じているかどうかを把握できます。体を小さく丸めて眠る姿勢は、体温を逃がさないための自然な反応です。また、毛を逆立てて体のまわりに空気の層を作ったり、人の膝の上や布類の中など暖かい場所を探したりする行動が見られることもあります。
さらに、動きが少なくなる、食欲が低下する、震えが見られるなどの変化がある場合は、寒さによって体に負担がかかっている可能性があります。日常の様子と比べて「少し違う」と感じたときは、温度環境を見直す必要があります。
冬の夜は要注意。寒さ対策をしないと起こりやすい体調トラブル
寒さへの対策が不十分な環境では、猫が低体温に陥るおそれがあります。平常時の体温はおよそ38〜39℃ですが、体温が大きく低下すると震えが強くなるほか、動きが鈍くなるなどの変化が見られることがあります。進行すると体の働きが低下し、深刻な状態に至る場合もあるため注意が必要です。
また、冬の冷え込みは泌尿器の不調や腹部のトラブルにつながることもあります。特に夜間は気温が下がりやすいため、暖房を使わない場合は周囲の環境を整え、猫の体への負担をできるだけ減らすことが大切です。
冬に暖房なしでもできる!夜間のケージ寒さ対策5選
夜間や留守中にエアコンやファンヒーターを一晩中つけるのは難しい場合でも、身近なアイテムや工夫を組み合わせれば、ケージ内の暖かさを保つことは十分に可能です。大切なのは「冷気を遮断すること」と「保温性を高めること」の2点です。電気を使わない方法は火災リスクが少なく、停電などの非常時にも役立ちます。
ここからは、今すぐ実践できる具体的な寒さ対策をまとめています。組み合わせることでより高い防寒効果が期待できるので、ご家庭の環境に合わせて取り入れてみてください。
冷気を避けるならここに置こう!ケージの最適な場所
まず見直したいのは、ケージを置く場所です。冬の窓際は外気の影響を直接受け、冷気が流れ込みやすく、部屋の中でもっとも寒くなりがちです。窓の近くにある場合は、部屋の中心や壁側など、冷気を避けられる場所に移動させるだけでも体感温度は変わります。
移動が難しい場合は、窓に厚手のカーテンや断熱シートを取り付け、冷気の侵入を防ぎましょう。また、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まる性質があります。ケージを台の上に置くなど高さを出すことも、床付近の冷たい空気を避ける有効な手段です。
サイズ:厚さ 25mm 300mm × 600mm 2枚セット
床からの冷えをシャットアウト!段ボール&マット活用法
ケージの床面は冷えやすく、猫のお腹を冷やす原因になります。手軽で効果的なのは「段ボール」です。層の間に空気を含むため、優れた断熱効果があります。ケージの下に段ボールを敷くだけで、床からの冷気を軽減できます。
さらに保温性を高めるなら、アルミシートやジョイントマットを段ボールの上に重ねるのも有効です。冷気を遮断するだけでなく、猫が歩いたときの感触も柔らかくなり快適です。見た目が気になる場合は、その上にラグやタオルを敷くと部屋の雰囲気にも馴染みやすくなります。
サイズ:30長さ x 30幅 cm
主な素材:アクリル, ポリエステル
簡易個室で暖かさキープ!毛布・カバー活用術
ケージの周りを毛布や大判のタオル、専用カバーで覆うと、暖かい空気が外に逃げにくくなります。特に夜間は、天井も含めて全体を覆うと温度が下がりにくくなります。
ただし、通気性の確保は必須です。ケージ全体を密閉すると空気がこもり、湿度が上がりすぎることがあります。前面の一部を開ける、通気性のある素材を使うなど、常に新鮮な空気が入るよう工夫しましょう。中の様子が少し見えると、猫の安全を確認しやすくなります。
主な素材:ポリエステル
ケージ内で快適に過ごせる寝床を用意する
ケージ内の寝床も冬仕様に変えてあげましょう。可能であれば、体を囲める「ドーム型」や「袋状」のベッドを置くと、猫の体温で内部の空気が温まりやすく、暖かさを感じやすくなります。狭い場所を好む猫にとって、囲まれた空間は精神的な安心感にもつながります。
ただし、ケージのサイズによってはドーム型や袋状が入らない場合があります。その場合は、フラットタイプのベッドや、折りたたみ可能なベッド、厚めの毛布やタオルを重ねた寝床などで代用しましょう。底冷えを防ぎつつ、猫が自由に出入りできる広さを確保することが大切です。
サイズ:55長さ x 45幅 x 12厚み cm
主な素材:ポリエステル+PP綿
電気不要で暖か!湯たんぽ・ペット用ヒーターの活用法
より暖かさを補いたい場合は、湯たんぽやペット用ヒーターの活用も有効です。湯たんぽは電気を使わず安全で、入れたお湯の温度が長時間持続します。カバーがない場合は厚手のタオルで巻き、低温やけどを防ぎましょう。
電子レンジで温めるタイプの保温剤や、体温を反射して暖かくなる蓄熱マットなどもあります。これらはコードがないため、ケージ内で邪魔にならず、かじって感電する心配もありません。猫の好みに合わせて、安全で使いやすいアイテムを選んであげましょう。
冬の寒さが厳しい夜!暖房器具を使うときのポイント
寒さが特に厳しい地域や冷え込む夜には、ペット用ヒーターや電気毛布などの暖房器具を使うこともあります。便利で暖かいですが、ケージという限られた空間で使う場合は注意が必要です。ここでは、暖房器具を安全に使うために押さえておきたいポイントを紹介します。
低温やけどに注意!長時間の密着は危険
猫は寒さには敏感ですが、熱さに対してはやや鈍感です。暖かい場所に長時間密着すると、低温やけどのリスクがあります。見た目ではわかりにくくても、皮膚の深部に損傷が及ぶことがあります。ホットカーペットやヒーターの上に直接寝かせず、厚手の毛布やカバーを敷くなど、熱源が直接触れない工夫が必要です。また、猫が移動できる暖房のないスペースを用意しておくことも大切です。
サイズ:幅約37.5×奥行約26.5(約0.8kg)
コードをかじる危険に備える
電気製品のコードは、子猫や遊び好きの猫がかじってしまうことがあります。コードを噛むと感電や火災の原因になるおそれがあります。ケージ内で使用する場合は、コードにスパイラルチューブやコードカバーを巻き、コンセント部分は猫の手が届かない位置に配置しましょう。
サイズ:3長さ x 0.02幅 m
カラー:ホワイト、ブラック
乾燥対策で風邪予防と快適性を
暖房器具を使うと室内の空気が乾燥し、鼻や喉の粘膜の防御機能が下がり、猫風邪を引きやすくなります。加湿器を近くに置く、濡れたタオルをかけるなどして、湿度を40〜60%に保つことをおすすめします。また、暖房で体温が上がると水分も失われやすいため、いつでも新鮮な水を飲めるよう、水飲み場を清潔に保つことも重要です。
サイズ:32奥行き x 20幅 x 28高さ cm
これはNG!猫にとって危ない寒さ対策
猫にとって危険となる寒さ対策もあります。人間にとっては便利なものでも、体の小さな猫や習性の異なる動物では健康に影響が出る場合があります。特に「人間用のグッズ」をそのまま流用したり、「暖かさを逃がさないこと」にこだわりすぎたりするのはリスクが高くなります。ここでは、避けるべき寒さ対策を解説します。
人間用のカイロや電気毛布の使用
使い捨てカイロは手軽ですが、猫の寒さ対策には適しません。カイロは酸素と反応して発熱するため、密閉された空間や猫の体の下で使用すると局所的に高温になり、低温やけどの原因となるおそれがあります。中の鉄粉を誤飲すると中毒症状を起こす場合もあります。
同様に、人間用の電気毛布やホットカーペットも猫には温度が高すぎたり、重さで動きが制限されることがあります。自動オフ機能がないものは加熱し続けるため、脱水症状や熱中症のリスクが高まるおそれがあります。ペット用に設計された製品を使用するとより安全です。
換気ができないほどケージを密閉する
ケージ全体をビニールや厚手の毛布で隙間なく覆うと、酸素濃度が下がり酸欠状態になるおそれがあります。湿気がこもると結露やカビの原因にもなり、温度が上がりすぎて蒸し風呂のような状態になる場合もあります。
保温のためにカバーを使用する場合は、天井の一部や前面の下半分を開けるなどして空気の通り道を確保すると安全です。直接風が当たらないようにしつつ、空気が循環する環境にすることが望ましいです。
まとめ|猫のケージ冬の夜を暖房なしで過ごすためには
猫は寒さに敏感な動物です。冬の夜を暖房なしで過ごす場合でも、ケージの置き場所を工夫する、段ボールやジョイントマットで床からの冷気を遮断する、毛布やカバーで空間を覆う、適切な寝床を用意するなどの対策を組み合わせることで、体温低下のリスクを減らすことができます。さらに、湯たんぽやペット用ヒーターを使用する場合は、低温やけどやコード事故に注意し、熱源から自由に移動できるスペースを確保しましょう。
また、猫の体調や行動の変化も重要な判断材料です。丸まって震えている、動きが鈍い、食欲が落ちている場合は、環境を見直す目安となります。冬場はこまめな観察と対策の組み合わせによって、暖房なしでも猫が安全に夜を過ごせる環境を整えることが可能です。
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▼参考文献
ねこのクリニック浦和.“猫にとっての快適な室温と湿度”.https://nekono-clinic-urawa.com/%E7%8C%AB%E3%81%AB%E3%81%A8%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%AE%E5%BF%AB%E9%81%A9%E3%81%AA%E5%AE%A4%E6%B8%A9%E3%81%A8%E6%B9%BF%E5%BA%A6/(参照 2025-12-09)
永原動物病院.“犬や猫の室温は何度が適切?最適な室内環境と熱中症予防のコツ”.https://www.nagahara-ah.com/column/dog-cat-room-temperature/(参照 2025-12-09)





