「冬なのに犬が熱中症になることはあるの?」と疑問に感じたことはありませんか。冬の犬の熱中症は、夏とは原因や発症の仕組みが異なる点に注意が必要です。寒い季節は油断しやすく、犬の熱中症は夏だけの問題だと考えているかたも少なくありません。
しかし実際には、冬でも室内暖房や車内環境の影響によって体温が上がりすぎるケースがあります。特にこたつやヒーターの近くで長時間過ごしている場合や、水分摂取が不足している場合は注意が必要です。
「暖房の温度はどのくらいが適切?」「留守番中はどうすればよい?」と不安を感じることもあるでしょう。犬の冬の熱中症は見落とされやすいため、寒い季節ならではの原因を知っておくことが重要です。
この記事では、犬の熱中症が冬に起こる理由や主な原因、具体的な予防法までをわかりやすく解説します。大切な愛犬を守るために、ぜひ、参考にしてください。
※2026年2月18日時点の情報です。
冬でも犬は熱中症になるのか
寒い季節でも、犬の熱中症は起こり得ます。外気温が低いと安心しがちですが、体温の上昇は気温だけで決まるわけではありません。犬の体温調節の仕組みを理解すると、冬でも発症する理由が見えてきます。
犬は発汗で体温を調整できない
犬は人のように全身で汗をかいて体温を下げることができません。汗腺は主に足裏に限られており、体温調節の多くをパンティングに頼っています。パンティングは呼吸によって体内の熱を外へ逃がす仕組みですが、周囲の空気が暖かいほど効率は下がります。
そのため、室温が体温に近い環境では熱が十分に放散されず、体内に熱がこもる状態になります。この状態が続けば、季節に関係なく体温は上昇します。
季節と体温上昇は必ずしも一致しない
熱中症は「真夏の炎天下」で起こるという印象が強いものの、本質は体温が異常に上昇し続けることです。外が寒くても、体が熱を逃がせない条件がそろえば、同じ状態は生じます。
つまり、冬であること自体が安全を保証するわけではありません。体温調節が追いつかない状況になれば、冬の犬の熱中症は十分に起こり得ます。
冬に犬が熱中症になる主な原因
冬の熱中症は体の仕組みよりも、日常の環境設定が大きく影響します。外が寒い安心感から室内温度を高めに設定し続けることが、気づかないリスクにつながる場合があります。ここでは、実際に起こりやすい具体的な生活場面を整理します。
留守番中の暖房つけっぱなし
寒さ対策として外出時も暖房をつけたままにしている家庭は少なくありません。しかし、日中は日差しが差し込むことで室温が想定以上に上昇することがあります。特に南向きの部屋や高気密住宅では、暖房と日射の影響が重なり、室温が高止まりしやすくなります。
犬がケージ内で過ごしている場合、暑さを感じても移動して涼しい場所へ逃げることができません。暖房の風が直接当たる位置に寝床があると、体表温度が上昇しやすくなります。帰宅後に呼吸が荒くなっている、体が熱を帯びていると感じた場合は、室温管理を見直す必要があります。
こたつの中から出てこない
こたつ内部は空気がこもりやすく、設定温度以上に体感温度が高くなることがあります。犬は暖かい場所を好むため、自ら入り込んで長時間とどまることがありますが、体温が上がってもすぐに出てこない場合があります。
特に小型犬や高齢犬は体温変化の影響を受けやすく、被毛が密な犬種では内部に熱がこもりやすくなります。こたつ布団で囲まれた空間は換気が難しいため、内部温度を意識的に確認することが重要です。自由に出入りできる構造にすることが重要です。
車での移動中の過暖房
冬の車内は外気温が低くても、暖房を入れると短時間で高温になります。直射日光が差し込む座席では体感温度がさらに上昇します。移動中でも空調の設定が高すぎると、犬は逃げ場のない空間で体温が上がり続けます。
買い物や用事の間だけと考えて車内に残す行為も危険です。冬であっても、密閉された車内環境は体温上昇の要因になります。車内ではこまめな換気と温度確認が必要です。
飲水量が減っている
冬は喉の渇きを感じにくく、水を飲む回数が減りやすい傾向があります。暖房による乾燥は体内の水分蒸発を促進しますが、見た目に変化が出にくいため気づきにくい点が問題です。
水皿の減りが少ない状態が続く、尿の色が濃くなるなどの変化があれば、水分不足の可能性があります。ドライフード中心の食事では水分摂取量がさらに少なくなるため、ぬるま湯を用意する、ウェットフードを取り入れるなどの工夫も有効です。
冬の犬の熱中症の症状と見分け方
冬は「まさか熱中症とは思わなかった」というケースが起こりやすい季節です。外気が低いため、体調不良の原因を暖房や室温に結びつけにくいことがあります。ここでは、冬に見逃されやすい症状と判断のポイントを整理します。
初期症状は「いつもと違う呼吸」から
わかりやすい変化は呼吸です。舌を出して速く浅い呼吸を繰り返す状態が続いている場合は注意が必要です。室内で安静にしているのにパンティングが長く続く場合、体温が上昇している状態です。
ほかにも、落ち着きがなくなる、床に体をべったりつけて動かない、水を急に大量に飲むといった行動変化が見られることがあります。これらは体内の熱を逃がそうとする反応です。また、耳やお腹に触れたときに普段より熱く感じる場合も、体温上昇のサインとなることがあります。
進行すると現れる危険サイン
症状が進むと、よだれが増える、嘔吐する、ぐったりするなどの変化が見られます。舌や歯ぐきの色が濃い赤色や紫色になる場合は、血液循環に影響が出ている状態です。
さらに悪化すると、立ち上がれない、意識がぼんやりする、けいれんを起こすなどの重い症状に至ることがあります。この段階は緊急性が高く、速やかな対応が必要です。
冬だからこそ見逃されやすいポイント
冬は暖房で体が温まっていることが前提になるため、呼吸の変化を「部屋が暖かいから」と軽く考えてしまう場合があります。しかし、パンティングが長く続く状態は正常ではありません。
また、寒い環境と暖房の温度差によって一時的にぐったりすることがありますが、繰り返す場合は環境が適切かを確認する必要があります。体調変化を見逃さないためには、普段の呼吸数や行動を把握しておくことが重要です。
冬でも犬の熱中症は起こり得ます。症状を早い段階で察知することが重症化を防ぐ鍵になります。
冬の犬の熱中症を防ぐ具体的な予防法
冬の熱中症は、危険な場所を避けることだけでは防げません。重要なのは「犬が自分で体温を調整できる環境」を整えることです。暖房を強くするか弱くするかという単純な話ではなく、温度の分布や水分状態まで含めて管理することが予防につながります。
犬が自分で移動できる空間をつくる
犬は暑さを感じたとき、本来であれば涼しい場所へ移動して体温を下げようとします。しかし、部屋全体が均一に高温になっている場合や、ケージ内で過ごしている場合は逃げ場がありません。
理想は、暖かい場所とやや涼しい場所の両方を確保することです。暖房の直風が当たらないスペースを用意する、床材の異なるエリアをつくる、別室へ移動できる状態にするなどの工夫が有効です。犬が自然に場所を選べる環境であれば、体温が上がりすぎる前に自ら調整できます。
水分不足を防ぐ環境づくり
冬は喉の渇きを感じにくく、水を飲む量が自然に減る傾向があります。水皿の減りを毎日確認し、普段より減少が少ない場合は対策を考えます。
ぬるま湯に替えることで飲水量が増えることがあります。食事に少量の水分を加える、ウェットフードを取り入れるなどの方法もあります。特に暖房を使用している環境では、体内の水分が蒸発しやすいため、水分補給の工夫は欠かせません。
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室温と湿度をセットで管理する
暖房によって湿度が低下すると、体内の水分は失われやすくなります。湿度が低い状態では呼吸による水分蒸発も増え、体温調節に影響を与えます。犬種にもよりますが、室温が26℃を超えやすい場所や26℃前後でも湿度が60%を超える換気の悪い環境になっていないか見直しましょう。
室温計とあわせて湿度計を設置し、乾燥が強い場合は加湿を検討します。温度と湿度の両方を安定させることで、体温調節への負担を軽減できます。環境管理は単一の数値ではなく、複数の要素を総合的に見ることが重要です。
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過暖房を防ぐ「時間管理」
室温の数値だけでなく、暖房の使用時間も見直します。冬は寒さ対策として長時間暖房を使用しがちですが、日差しが入る時間帯は室温が想像以上に上昇することがあります。
タイマー機能を活用し、一定時間ごとに設定温度を下げるなどの工夫が有効です。外出前には、帰宅予定時刻まで室温が上がり続けないかを想定して設定します。温度は一定に保つのではなく、状況に応じて調整する意識が重要です。
冬でも熱中症が疑われたときの正しい対処法
冬は外気が低いため、体調不良の原因を暖房や室温と結びつけにくい傾向があります。しかし、呼吸が荒い、元気がない、ぐったりしているなどの変化が見られた場合は、季節に関係なく熱中症の可能性を考えます。対応が遅れると体への負担が大きくなるため、落ち着いて段階的に対処することが重要です。
まずは環境を落ち着かせ、ゆるやかに体温を下げる
最初に行うのは環境調整です。暖房の設定温度を下げ、風通しを確保し、犬を涼しい場所へ移動させます。急に屋外へ出すのではなく、室内で温度差の少ない場所へ移すことが基本です。
冷却は「急激に」ではなく「ゆるやかに」が原則です。濡らしたタオルで足先や内股、首周りをやさしく冷やします。氷水や保冷剤を直接当てると血管が急激に収縮し、かえって体温が下がりにくくなる場合があります。体を触って異常な熱感がある部位を中心に、段階的に冷却します。
水分補給は状態を見極めて慎重に行う
意識がはっきりしている場合は、少量ずつ水を与えます。一度に大量に飲ませると嘔吐につながることがあります。自分で飲める状態であれば、常温またはややぬるめの水を少量ずつ与えます。
ぐったりしている、反応が鈍い、飲み込む力が弱い様子がある場合は無理に水を与えません。誤って気道に入る危険があります。このような場合は早めの受診が優先です。
動物病院への受診の判断基準を明確にする
呼吸が荒い状態が改善しない、立ち上がれない、嘔吐や下痢がある、けいれんを起こすなどの症状が見られる場合は、緊急性が高いと考えます。舌や歯ぐきが濃い赤色や紫色に変化している場合も受診が必要です。
冬であっても症状が重い場合は迷わず動物病院へ連絡します。発症前の室温や暖房状況を伝えると、診断の参考になります。移動中は体を冷やしすぎないよう注意し、落ち着いた環境を保ちます。
まとめ|犬の熱中症は冬でも起こる!室内環境の見直しが重要
犬の熱中症は夏だけの問題ではありません。冬でも、暖房の過剰使用や閉め切った室内環境、水分摂取量の低下が重なることで体温が上昇し、熱中症となる可能性があります。外が寒い季節は安心しやすいものの、室内は想像以上に暖まりやすく、気づかないうちに体へ負担をかけている場合があります。
特に冬は、喉の渇きを感じにくく飲水量が減りやすい傾向があります。暖房による乾燥も重なることで、体内の水分は失われやすくなります。暖房の設定温度だけで判断せず、室温と湿度を数値で確認することが重要です。
予防の基本は、犬が自分で移動できる環境を整えることです。暖かい場所とやや涼しい場所を確保し、逃げ場のない空間をつくらないことが体温上昇の予防につながります。また、水皿の減りを確認し、飲水量を把握する習慣も欠かせません。
呼吸が荒い、ぐったりする、嘔吐するなどの変化が見られた場合は、季節に関係なく熱中症を疑います。まずは暖房を調整し、落ち着いた環境へ移動させたうえで、症状が改善しない場合は動物病院へ相談します。
冬の体調管理は寒さ対策だけでなく、過暖房対策まで含めて考えることが大切です。室内環境を整えることが、愛犬を守る確実な予防につながります。
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▼参考文献
いぬのきもち WEB MAGAZINE.“「犬が冬に熱中症を起こす?」2つの対策方法”.https://dog.benesse.ne.jp/withdog/content/?id=90446(参照 2026-02-18)
つるまき動物病院 院長ブログ.“冬真っ盛り…犬の寒さ対策について|寒いと体調を崩す恐れも”.https://tsurumaki-ah.com/blog/2024/04/08/winter-dog-cold-measures/(参照 2026-02-18)

