犬の留守番で寒さが心配なときの対策まとめ｜室温管理と防寒の基本

2025-12-25

「犬を留守番させるときの寒さ対策は？」

「犬はどのくらいの寒さに耐えられますか？」

冬場に犬をひとりで留守番させる際、このような疑問や不安を感じるかたもいますよね。外出中に室温が下がりすぎていないか、被毛があるとはいえ寒さで体調を崩さないかなど、考え始めると心配は尽きないものです。特に共働きや長時間の外出が避けられない家庭では、犬の様子を直接確認できない時間が続くため、寒さ対策の考え方が分からず迷ってしまうケースもあります。

犬は種類や年齢、体の大きさによって寒さへの耐性が異なり、人が快適に感じる室温でも負担になる場合があります。「暖房をつけていれば大丈夫だろう」と思っていても、留守番中は寝床の位置や床からの冷えなどによって、犬が寒さを感じていることも珍しくありません。留守番中の環境づくりは、対策が不足しても過剰になっても犬の体に負担をかけてしまうため、バランスが重要です。

この記事では、犬を留守番させる際に知っておきたい寒さ対策の基本として、室温管理の考え方や安全にできる防寒の工夫を整理しています。愛犬が留守番中も落ち着いて過ごせる環境を整えるために、ぜひ、参考にしてください。

※2025年12月25日時点の情報です。

寒さの影響を受けやすい犬の特徴と注意点

犬の寒さへの感じ方は一律ではなく、体の特徴や年齢、健康状態によって大きく異なります。留守番中の寒さ対策を考える際は、「どの犬が特に冷えやすいのか」を知っておくことが重要です。ここでは、寒さの影響を受けやすい犬の代表的な特徴と、留守番時に注意したいポイントを整理します。

小型犬や体重が軽い犬は冷えやすい

体が小さい犬や体重が軽い犬は、体表面積に対して体内の熱量が少ないため、体温が下がりやすい傾向があります。同じ室温で過ごしていても、中型犬や大型犬と比べて冷えを感じやすく、留守番中に丸くなってじっとしている時間が長くなることもあります。特に冬場は、床付近の空気が冷えやすく、小型犬ほどその影響を受けやすくなります。ベッドの位置や床からの冷え対策を考える際には、体のサイズを意識することが欠かせません。

短毛犬や被毛が少ない犬は室内でも注意が必要

被毛が短い犬や下毛が少ない犬は、寒さから体を守る力が弱い傾向があります。屋外で寒さ対策が必要なイメージを持たれやすい犬種でも、室内の環境次第では冷えを感じることがあります。

留守番中は運動量が減り、体を動かして熱を生み出す機会が少なくなります。そのため、被毛が少ない犬ほど、室温や寝床の環境による影響を受けやすい点に注意が必要です。

シニア犬や体調に不安がある犬は影響を受けやすい

年齢を重ねた犬は、体温を一定に保つ力が若い犬よりも弱くなる傾向があります。また、関節や内臓に不調を抱えている場合、冷えが体の負担となりやすく、留守番中の環境が体調に影響することもあります。

寒さによる影響は、すぐに目に見える形で現れるとは限りません。そのため、シニア犬や持病のある犬ほど、「寒そうな様子がないから大丈夫」と判断せず、あらかじめ冷えに配慮した環境を整えておくことが大切です。

寒さに強い犬でも油断はできない

一般的に寒さに強いとされる犬でも、留守番中の環境によっては冷えを感じることがあります。暖房の風が届かない場所で長時間過ごしていたり、床からの冷気を受け続けていたりすると、体に負担がかかる場合があります。犬の特徴だけで判断せず、「留守番中にどの場所で、どのように過ごしているか」という視点で環境を見直すことが重要です。

留守番中の室温管理で気をつけたい基本ポイント

犬の留守番中の寒さ対策では、防寒グッズだけでなく、室温そのものの管理が重要になります。ただし、暖房を強くすればよいというわけではなく、安全性や犬の過ごし方を踏まえた考え方が欠かせません。ここでは、留守番中の室温管理で押さえておきたい基本的なポイントを整理します。

留守番中の室温は「人基準」にしすぎない

室温管理を考える際、人が快適に感じる温度を基準にしてしまいがちですが、犬にとって同じ環境が快適とは限りません。特に冬場は、暖房を切った後に室温が想像以上に下がることがあります。留守番中の犬は、長時間同じ場所で休んでいることが多く、動かない分だけ体が冷えやすくなります。そのため、「人が帰宅したときに寒くないか」ではなく、「犬が動かずに過ごしても冷えにくいか」という視点で室温を考える必要があります。

留守番中の室温は何度くらいを目安にすればよい？

留守番中の室温について、「結局何度にすればよいのか」と悩むかたは少なくありません。一般的には、冬場の室温は18〜22度程度を目安に考えられることが多く、犬が寒さで体を丸め続ける状態を防ぎやすいとされています。ただし、この温度はすべての犬に当てはまるものではありません。小型犬や短毛犬、シニア犬の場合は寒さを感じやすく、同じ室温でも冷えにつながることがあります。一方で、被毛が多い犬や寒さに比較的強い犬では、暖めすぎが体への負担になる場合もあります。

そのため、「◯度に固定する」ことを目的にするのではなく、寒すぎず、暖めすぎない範囲を保ち、犬が自分で居場所を選べる環境を整えることが、留守番中の室温管理では重要です。

暖房器具を使う場合は安全性を最優先にする

留守番中に暖房器具を使用する場合は、安全性への配慮が欠かせません。転倒や接触による事故のリスクがある器具は、留守番中の使用を避けるのが基本です。

エアコンなど壁に固定された設備は比較的安全ですが、風が直接当たり続けないよう、風向きや設定にも注意が必要です。犬が暖かい場所と少し涼しい場所を行き来できる状態を作ることで、無理のない温度調整がしやすくなります。

室温だけでなく床付近の冷えにも目を向ける

室内全体の温度が保たれていても、床付近は空気が冷えやすくなります。犬は床に近い位置で過ごすため、人が立って感じる室温と、犬が感じる寒さには差が生じやすい点に注意が必要です。

フローリングなど冷えやすい床では、長時間触れていることで体温が奪われることもあります。室温管理とあわせて、床からの冷えをどう防ぐかを考えることが、留守番中の寒さ対策では欠かせません。

エアコンに頼りすぎない犬の留守番中にできる寒さ対策

留守番中の寒さ対策は、必ずしもエアコンや暖房器具だけに頼る必要はありません。電気を使わずにできる工夫を取り入れることで、事故のリスクを抑えながら犬が快適に過ごせる環境を整えられます。ここでは、留守番中でも取り入れやすい寒さ対策を紹介します。

寝床の位置を見直すだけでも冷え対策になる

犬の寝床は、寒さ対策において重要なポイントです。窓際や玄関付近は外気の影響を受けやすく、室内でも冷えが集中しやすい場所です。留守番中に犬がよく過ごしている場所が冷えやすい位置にある場合は、部屋の中央寄りや壁から少し離れた場所へ移動させるだけでも、体への負担を軽減できます。

また、エアコンの風が直接当たる位置や、床下から冷気が伝わりやすい場所も避けることが大切です。犬が落ち着いて休める静かな場所を選び、環境全体を整えてあげましょう。

毛布やベッドは「重ねすぎない」が基本

毛布やクッションを使った防寒は手軽ですが、使い方には注意が必要です。厚手の毛布を何枚も重ねると、犬が中に入り込んで動きにくくなったり、体温がこもりすぎたりすることがあります。

ベッドの中に敷くものは、犬が自分で出入りしやすい厚さを意識することが大切です。上にかける場合も、完全に覆うのではなく、犬が自由に体を出せる状態にしておくと安心です。留守番中は人の手で調整できないため、「犬自身が調節できる形」を意識しましょう。

床からの冷えを防ぐ工夫を取り入れる

犬は床に近い位置で過ごすため、床から伝わる冷えへの対策が欠かせません。フローリングの上に直接ベッドを置くのではなく、ラグやマットを敷くことで、冷えを和らげることができます。

特別な防寒用品を用意しなくても、普段使っているマットやカーペットを活用するだけで、体感温度は変わります。留守番中に犬が移動する範囲を意識し、冷えやすい場所を減らしておくことがポイントです。

留守番中におすすめの寒さ対策アイテム6選

留守番中の寒さ対策では、「どれだけ暖かいか」だけでなく、「人がいない時間でも安全に使えるか」という視点が欠かせません。ここでは、電気を使うタイプと使わないタイプに分けて、留守番中に取り入れやすい寒さ対策アイテムを紹介します。

電源を使ってしっかり冷えを防ぎたい場合

「ペットのための電気ヒーターハード2 M」は、電気ヒーターで、ケージ内やベッド下に敷いて使うタイプです。噛み付きやいたずらに配慮された構造のため、留守番中でも比較的使いやすい設計になっています。床からの冷えを直接防ぎたい場合に向いており、小型犬や寒がりな犬の「定位置」を暖めたい場合に適しています。一方で、ヒーターの上に直接長時間乗り続ける状態にならないよう、犬が自分で場所を移動できる配置にすることが重要です。

防水仕様で、お手入れしやすい電気式のヒーターマットです。2段階の温度調節が可能なため、寒さの度合いに応じて使い分けやすい点が特徴です。留守番中に使用する場合は、コード部分を犬が噛めない位置に固定し、必ず「マットの上に乗らなくても過ごせるスペース」を確保することが大切です。寒さが厳しい時期の補助的な暖房として取り入れるイメージが向いています。

電気を使わず安全性を重視したい場合

「レンジでチンする新ユカホットモカブラウン」は、電子レンジで温めて使うタイプのあったかマットで、電源を使わない点が大きな特徴です。留守番中に電気製品を使うことに不安がある家庭でも取り入れやすい寒さ対策です。温かさは徐々に下がるため、長時間の留守番では「冷え始めても問題ない環境づくり」と併用することが前提になります。留守番を始めてからしばらくの間、体が冷えすぎるのを防ぐための補助的な対策として向いています。

「遠赤外線レンジでチンしてぽっかぽかスウィートハート」は、電子レンジで温めて使うコンパクトサイズの湯たんぽタイプの寒さ対策アイテムです。ベッド全体を暖める用途ではなく、犬が体の一部を預けられる「ポイント使い」に向いている点が特徴です。留守番中は人が温度調整できないため、長時間の主暖房としてではなく、室温管理やマットと併用し、冷えやすい時間帯の補助として取り入れると無理がありません。設置する際は、犬が自分で距離を取れる位置に置くことが重要です。

床冷えを防ぐマット・クッションタイプ

電気を使わず、素材の工夫によって保温性を高めたペットマットです。体圧分散や関節への配慮がされており、シニア犬や関節に不安がある犬にも使いやすいタイプです。断熱素材が入っているので留守番中に長時間同じ場所で過ごす犬には、床からの冷えを防ぐ目的で役立ちます。暖めすぎる心配が少ないため、室温管理と組み合わせやすい点もメリットです。

ふんわりとしたクッション性のあるクッションマットで、床からの冷えを和らげたい場合に向いています。電源を使わず、設置するだけで使えるため、留守番中の安全性を重視したい家庭に適しています。

犬が体を丸めやすい形状のため、寒い時期の定位置として使いやすい一方、設置場所が冷えやすい位置にならないよう注意が必要です。

留守番前に確認しておきたい寒さ対策のチェックポイント

留守番中の寒さ対策は、特別なアイテムを追加することだけが重要なのではありません。外出前に環境を一度見直しておくだけでも、犬が過ごす室内の状態は大きく変わります。ここでは、留守番前に確認しておきたい寒さ対策のポイントを、具体的な視点で整理します。

室温と暖房設定は外出後を想定しているか

外出前に感じる室温は、暖房が効いた直後の状態であることが多く、留守番中の環境とは異なる場合があります。暖房を切ったあとに室温がどの程度まで下がるのか、時間の経過を想定して設定されているかを確認することが重要です。特に冬場は、日中であっても気温が上がらず、思っている以上に冷え込むことがあります。人がいない時間帯の室温を基準に考えることで、寒くなりすぎる状況を防ぎやすくなります。

犬が過ごす場所が冷えやすくなっていないか

犬がよく過ごす寝床や定位置は、室内でも冷えやすい場所になっていることがあります。窓際や玄関付近、外壁に近い位置は外気の影響を受けやすく、床からの冷えも重なりやすい環境です。ベッド自体が暖かそうに見えても、設置場所によって体感温度は大きく変わります。留守番前に、犬の目線で室内を見渡し、冷気が集まりやすい位置になっていないかを確認しておくことが大切です。

暖かい場所とそうでない場所の両方があるか

留守番中は、人が温度調整を行えないため、犬自身が体感に合わせて移動できる環境が求められます。暖かい場所に固定されすぎていると、体が温まりすぎたときに調整ができません。逆に、寒い場所しか選べない状態も避ける必要があります。寝床の近くに別の休めるスペースがあるか、犬が自分で距離を取れる余地があるかを確認しておくことで、留守番中も過ごし方を選びやすくなります。

防寒アイテムは留守番向きの使い方になっているか

防寒アイテムは、使い方によっては留守番中に負担になることもあります。湯たんぽやマットを設置する場合は、体を預け続ける状態になっていないか、噛んだり引っかけたりする可能性がないかを事前に確認することが欠かせません。また、留守番中は人が調整できないため、「暖かさが変化しても問題が出にくい配置」になっているかという視点も重要です。アイテムそのものだけでなく、使い方まで含めて見直しておきましょう。

犬の体調や様子に変化がないか

留守番前には、犬の様子を一度落ち着いて確認しておくことも大切です。いつもより丸くなっている、動きがゆっくりしているといった変化は、寒さを感じているサインであることもあります。こうした様子に気づいた場合は、室温や寝床の位置、防寒対策を見直すきっかけになります。日々の様子を基準に考えることで、その日の環境に合った調整がしやすくなります。