「ハムスターがケージを噛まないようにするにはどうしたらいいですか?」
愛らしいハムスターがケージをガジガジと噛む行動に、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。夜中に噛む音で眠れなかったり、ハムスターの歯や口の健康が心配になったりすることもあるでしょう。この行動には、ハムスターからの何らかのサインが隠されている可能性があります。
この記事では、ハムスターがケージを噛む原因を掘り下げ、今日から試せる具体的な対策や役立つグッズをご紹介します。大切なハムスターと飼い主さん双方が、より快適で穏やかな毎日を送れるよう、一緒に解決策を見つけていきましょう。
※2025年6月30日時点の情報です。
ハムスターがケージを噛む原因
ハムスターがケージを噛む行動には、さまざまな理由が考えられます。単なる癖と片付ける前に、その背景にあるハムスターの気持ちや状態を理解しようとすることが大切です。ここでは、主な原因をいくつか見ていきましょう。
ストレスを感じている
ハムスターは非常にデリケートな動物であり、環境の変化や不快な刺激によってストレスを感じやすいです。例えば、ケージの周りが騒がしい、照明が明るすぎる、ケージが狭くて十分に運動できない、掃除がされておらず不衛生といった状況は、ハムスターにとって大きなストレス要因となります。
このようなストレスを発散させるため、あるいは環境への不満を伝えようとしたり、不快な場所から逃れようとしたりする行動でもあります。人間がイライラすると何かを叩いたりするように、ハムスターもストレスを感じるとケージを噛んで発散するようになります。
外の世界へ出たいアピール
ハムスターは縄張り意識が強い動物です。一度外に出たことがあるハムスターは、ケージの外でも自分の縄張りだと考える場所があるのかもしれません。その思いからケージの特定の場所を執拗に噛んで、どうにかして出られないかと試みることがあります。これは、ハムスターが持つ縄張り意識からくる行動と言えるでしょう。
飼い主にかまってほしい
ハムスターは、飼い主とのコミュニケーションやおやつを求めることもあります。ケージを噛むことで音を出し、飼い主の注意を引こうとしているのかもしれません。「ケージを噛むと飼い主さんが来てくれる、おやつがもらえる」と学習してしまうと、かまってほしい時や何かを要求したい時に、ケージを噛む行動を繰り返すようになります。特に、日中忙しくてあまり構ってあげられない場合や、逆に構いすぎてハムスターがそれに慣れてしまった場合に見られることが多いです。
歯の伸びすぎ・歯を削りたい
ハムスターの歯は生涯伸び続けるため、硬いものをかじることで適切な長さに保つ習性があります。かじり木などが用意されていない、あるいは気に入ったかじり木がない場合、手近なケージの金網などをかじって歯を削ろうとすることがあります。ケージをかじることで歯の根元から変形してしまい、歯の噛み合わせが悪くなって不正咬合という病気となってしまうと危険です。定期的に歯の長さをチェックし、適切なかじり木を提供することが重要です。
ハムスターがケージをかまないようにする対策
ハムスターがケージを噛む行動には、必ず何らかの理由があります。その原因を特定し、適切に対処することで、行動を改善できる可能性が高まります。
ストレスの原因を取り除く
まず、ハムスターが何に対してストレスを感じているのかを観察し、その原因を取り除くことが最も重要です。
例えば、テレビやドアの近くなど騒がしい場所にケージを置いている場合は、静かで落ち着ける場所に移動させてみましょう。また、直射日光が当たる場所や、エアコンの風が直接当たる場所も避けるべきです。ケージ内の温度や湿度もハムスターにとっては重要で、一般的に適温は20〜25℃、湿度は40〜60%とされています。
ケージの掃除もこまめに行い、常に清潔な環境を保つように心がけてください。これらの環境改善によって、ハムスターがリラックスできるようになれば、ケージ噛みが収まることがあります。
ケージやレイアウトを変える
現在のケージがハムスターにとって狭すぎる場合、運動不足やストレスからケージを噛むことがあります。ハムスターの種類や体の大きさに合った、十分な広さのあるケージを選びましょう。ジャンガリアンハムスター等のドワーフハムスターだと60cmの広さを、ゴールデンハムスターだと10m~15mもの広さを必要とします。そのため、ゴールデンハムスターを買う場合は、ケージの広さが足りていないことが多いので、定期的に散歩をさせてあげましょう。
床面積が広いだけでなく、高さもある程度ある方が、運動器具などを設置しやすくなります。さらに、ケージ内のレイアウトを見直すことも有効です。回し車やトンネル、隠れ家などを設置して、ハムスターが退屈しないような、刺激のある環境を作ってあげましょう。ただし、おもちゃを過剰に設置すると、かえって落ち着かない環境になることもあります。
ケージを噛んでも無視する
もし、ハムスターが飼い主の気を引くためにケージを噛んでいると考えられる場合、噛んでいる最中に声をかけたり、おやつをあげたりするのは逆効果です。ハムスターは「ケージを噛めば構ってもらえる」と学習してしまい、行動が強化されてしまいます。
このような場合は、心を鬼にして、ケージを噛んでいる間は徹底的に無視を貫くことが有効な場合があります。そして、噛むのをやめて大人しくしている時に、優しく声をかけたり、おやつをあげたりして、「静かにしていると良いことがある」と学習させるのです。ただし、この方法はストレスや他の原因がないことを確認した上で行うようにしてください。
かじり木などのグッズをあたえる
歯の伸びすぎや歯を削りたいという本能からケージを噛んでいる場合、ケージ以外にかじることができるグッズを与えましょう。市販のかじり木には、さまざまな素材や形状のものがあります。木製のもの、トウモロコシの穂軸でできたものなど、ハムスターの好みに合わせて選んであげましょう。いくつか種類を用意して、どれを好んでかじるか試してみるのも良いでしょう。かじり木を設置してもすぐに使ってくれないこともありますが、根気強く様子を見てください。また、硬めのおやつを与えることも、歯を削る助けになります。
ケージの材質を見直す
金網タイプのケージを使用している場合は、アクリルやガラス製の水槽型ケージへの変更を検討してみましょう。網部分をかじるクセがあるハムスターに対しては、物理的に噛めない構造になるため有効です。ただし、ストレスが原因でかじっているケースでは、環境や習慣の見直しを優先する必要があります。
すぐにケージを買い替えるのが難しいときは、内側にクリアファイルのような硬めのシートを貼るといった工夫も一時的には有効です。ただしこれはあくまで一時対応のため、可能な限り早めに適したケージに替えることが望ましいでしょう。
ハムスターがケージを噛むのをやめさせるグッズ
ハムスターがケージを噛む行動をやめさせるためには、様々な専用グッズを活用するのも一つの方法です。これらのグッズは、ハムスターのストレスを軽減したり、安全にかじる欲求を満たしたり、あるいは物理的に噛むことを防いだりする目的で作られています。ここでは、代表的なグッズの種類をご紹介します。
かじり木・かじるためのおもちゃ類
かじり木は、ハムスターが歯を削るための最も基本的なグッズです。天然木を使用したもの、フルーツの木、ヘチマやトウモロコシの芯でできたものなど、さまざまな素材があります。ハムスターによっては好みが分かれるため、いくつか試してみて、気に入るものを見つけてあげると良いでしょう。
また、かじるためのおもちゃとしては、木製のボールやブロック、わらで編んだおもちゃなどがあります。これらは、かじるだけでなく、遊び道具としても役立ち、ハムスターの退屈を紛らわせるのに効果的です。選ぶ際は、ハムスターが口にしても安全な素材であること、小さすぎて誤飲する危険がないことを確認してください。
サイズ:100g
MUYYIKA「りんごの木」は、天然のりんごの木をそのまま使用した小動物用のおもちゃです。この商品は、添加物や着色料、農薬を使用していません。りんごの木は、小動物が好んでかじる素材で、歯の伸びすぎを防いだり、遊びながらストレスを解消したりするのに役立ちます。
サイズ:14長さ x 7.5幅 x 6.5高さ cm
Litewoodの「ハムスター 噛むおもちゃ」は、天然の松材で作られたカラフルなブロックとプラットフォームがセットになっており、ハムスターなどが楽しく遊べるように工夫されています。おもちゃをかじることで歯の健康を維持し、運動不足やストレスの解消にも役立つでしょう。
ストレス解消用のおもちゃ類2選
運動不足や退屈は、ハムスターがケージを噛む大きな原因の一つです。そのため、ストレス解消に役立つおもちゃをケージ内に設置することは非常に重要です。代表的なものとしては回し車があり、ハムスターの運動欲求を満たすためには必須のアイテムと言えるでしょう。
「ミニマルランド ハムちゃんのプレイボール Sサイズ」は、ハムスターがケージの外で安全に遊ぶためのお散歩用ボールです。この商品は透明な素材でできているため、ボールの中で元気に動き回るペットの様子をしっかりと確認できます。Sサイズはドワーフハムスターなどの小さなハムスターに適しており、部屋の中でのお散歩時の迷子や事故を防ぎながら、運動不足の解消やストレスの発散を手助けします。
サイズ:15長さ x 12幅 x 23高さ cm
「ハムスターパイプセット ストレート」は、ハムスターがケージ内やケージ間を移動したり、遊び場として楽しんだりするための拡張パイプです。この商品は透明なプラスチック製なので、パイプの中を元気に動き回るハムスターの様子を飼い主さんが外から確認できます。また、複数セットを繋ぎ合わせることにより、より複雑で楽しいトンネルコースを作ることができます。
ケージに取り付ける噛み癖防止グッズ
特定のケージの角や金網部分だけを執拗に噛んでしまう場合、その部分に噛み癖防止用のグッズを取り付けるという方法があります。例えば、金属や硬質プラスチックでできた保護プレートやカバーを噛む箇所に取り付けることで、物理的に噛めなくすることができます。
また、ハムスターが嫌がる苦味成分を含んだスプレーもありますが、これを使用する際は、ハムスターが口にしても安全な成分であることを必ず確認し、使用量にも注意が必要です。これらのグッズは対症療法的な側面が強いため、根本的な原因解決と並行して使用することを検討しましょう。
サイズ:7×2.5×8.5cm
素材:本体・ネジ:HIPS、かじり木パーツ:天然木
ジェックス「ハーモニースティック」は、天然の広葉樹を100%使用した小動物用のかじり木です。金属や接着剤を一切使っておらず、アレルギー反応が出にくいとされる低アレルギーの広葉樹を使用しています。また、ケージにしっかりと固定できるので、ペットが思う存分かじって遊ぶことが可能です。
金網部分が少ない、または無い素材のケージ
ケージの金網部分を噛む癖がどうしても治らない場合、最終手段としてケージ自体の種類を変えることを検討するのも一つの手です。例えば、側面がアクリルやガラスでできた水槽タイプのケージや、オールプラスチック製のケージは、金網部分がほとんどないか、全くないため、ハムスターが金網を噛むことから物理的に防ぐことができます。
これらのケージは、保温性に優れていたり、床材が飛び散りにくいといったメリットもあります。ただし、通気性が金網タイプに比べて劣る場合があるため、適切な換気や温度管理にはより一層の注意が必要です。
サイズ:80長さ x 44.7幅 x 50高さ cm
素材:アクリル, 金属
BUCATSTATE「ハムスター メタル製 80cm ケージ」は、広々とした飼育スペースを提供する小動物用のケージです。このケージは、高い透明度を持つアクリルパネルと頑丈なメタルフレームで構成されており、どの角度からでも愛らしいペットの様子をしっかりと観察できます。プラスチック製の部分は噛まれにくいので、噛むのをやめさせるのに効果的です。
サイズ:60長さ x 36.5幅 x 37.5高さ cm
DINGHANG「ハムスター ケージ」は、透明度の高いアクリル素材で作られた広々とした小動物用ケージです。幅60cmのワイド設計で、ハムスターがのびのびと活動できる空間を提供します。このケージは、アクリル素材で噛みづらく、面と天面に大きな扉があるため、ペットの様子を隅々まで観察しやすく、日々のお手入れやふれあいも簡単に行えます。
噛むのをやめさせる時の注意点
ハムスターのケージ噛みをやめさせようとする際、良かれと思って取った行動が、かえって状況を悪化させてしまったり、ハムスターに余計なストレスを与えてしまったりすることがあります。大切なのは、ハムスターの気持ちに寄り添い、安全かつ根気強く対策を行うことです。
叱ったり罰を与えたりしないこと
ハムスターがケージを噛む音がうるさくてイライラしたり、心配のあまりつい大きな声で叱ってしまったりすることがあるかもしれません。しかし、ハムスターにとって、なぜ叱られているのかを理解することは非常に困難です。むしろ、飼い主の大きな声や態度は恐怖心を与え、さらなるストレスの原因となり、ケージ噛みを悪化させる可能性すらあります。罰を与えることも同様で、信頼関係を損なうだけです。ケージ噛みはハムスターからの何らかのサインと捉え、冷静に原因を探り、優しく接することを心がけましょう。
ハムスターにとって安全な対策を選ぶこと
ケージ噛みをやめさせるためのグッズや方法は数多くありますが、そのすべてがハムスターにとって安全とは限りません。小さすぎるおもちゃや、壊れやすい素材でできたものは、誤飲や怪我の原因となることがあります。対策を選ぶ際には、必ず「ハムスターにとって安全か」という視点を持ち、信頼できるメーカーの製品を選んだり、必要であれば獣医師に相談したりするなど、慎重な判断が必要です。
根気強く、原因に合わせた対策を行うこと
ハムスターのケージ噛みは、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こっている場合が多く、残念ながら「これをすれば必ず治る」という特効薬のような解決策は存在しません。ある対策を試してすぐに効果が見られなくても、すぐに諦めてしまうのではなく、根気強く続けることが大切です。また、一つの方法に固執せず、ハムスターの様子をよく観察しながら、様々なアプローチを試してみることも重要です。原因を特定し、その原因に合った対策を組み合わせながら、少しずつ改善を目指していく姿勢が求められます。
まとめ
ハムスターがケージを噛む行動は、飼い主にとって悩ましい問題ですが、その背景には必ず何らかの理由が隠されています。この記事で紹介した原因と対策を参考に、愛するハムスターのサインを読み解き、根気強く向き合っていくことが大切です。ハムスターと飼い主の双方が快適で幸せな毎日を送れるよう、適切なケアを心がけましょう。
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▼参考文献
GEX.“ハーモニーお掃除ティッシュとハーモニーサーモ温湿度計で共に過ごす空間を快適に!”.https://www.gex-fp.co.jp/animal/blog/hamster-columns/harmonywettissue/(参照 2025-06-30)
ちゅら動物病院.“ハムスターに詳しい獣医師として”.https://chura.life/diagnosis/exotic/hamster/(参照 2025-06-30)
PetSmilenews fo スモマルr.“ハムスターがケージを噛んで困っている!どうしたらよい?”.https://psnews.jp/small/p/51476/(参照 2025-06-30)