「エアコンが使えないときに犬の暑さ対策するにはどうしたらいいですか?」
「エアコンをつけっぱなしにできない時間帯があるけど、犬が心配…」
そんな状況でも、愛犬の暑さ対策はしっかりと行う必要があります。犬は人間以上に暑さに弱い動物であり、体温調節が苦手なため、真夏の室内でも熱中症になるリスクがあります。
とくに留守中や夜間など、室温の管理が難しい時間帯は注意が必要です。「エアコンなし」でもできる具体的な対策を知っておけば、いざというときにも落ち着いて対応できます。
この記事では、エアコンを使えないときに犬を暑さから守る方法をわかりやすく解説します。室温を下げる工夫、体を冷やすグッズの使い方、便利なアイテムの選び方まで、今日から実践できる内容を紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
※2025年6月16日時点の情報です。
犬は暑さに弱い?エアコンなしの環境で起こるリスク
夏の暑さが本格化する時期、室内にエアコンがない環境では、犬にとって大きな負担となります。人間と同じ空間にいても、犬の体は想像以上に熱をためこみやすく、暑さによる体調不良を引き起こすことがあります。
特に注意が必要なのは、呼吸機能が弱い犬種や老犬・子犬です。まずは、どのような仕組みで犬が暑さに弱いのかを知り、どういった危険性があるのかを把握しておきましょう。
犬の体温調整のしくみ
犬は全身で汗をかくことができません。体温調整は主に口を開けてハァハァと呼吸する「パンティング」と、足裏にわずかにある汗腺によって行っています。それ以外に、血管を拡張して血流を良くして熱を体の外に逃がそうとしたり、骨格筋を緩めて熱を作り出すのを抑えて体温を下げようとします。しかし、これだけでは十分に体温を下げられず、特に高温多湿の日本の夏では体に熱がこもりやすくなります。
短頭種(パグやシーズーなど)は、熱中症に陥りやすい犬種です。また、肥満の場合や、脱水状態を引き起こす循環器疾患や、慢性呼吸器疾患などの病気を患っている場合も注意が必要です。
熱中症や脱水症の危険性
エアコンのない環境では、室温の上昇とともに熱中症のリスクが高まります。犬がぐったりしていたり、舌の色が赤紫になっていたりする場合は要注意です。ハアハアと呼吸が荒くなる、よだれが増える、粘膜の充血やうっ血などの変化にも気づくことが大切です。
また、水分をうまく摂取できないと、脱水症状を引き起こすこともあります。少しの油断が体調不良に直結するため、エアコンが使えない状況では、こうしたリスクを前提とした対策が欠かせません。
室温は26℃以下を維持しよう
犬が熱中症にならないように室内は風通しを良くしておくことや、ペットが自由に居場所を選択できるようにしておくことも重要です。暑い時期の室内の温度は26℃以下で維持できるようにしましょう。
エアコンなしで室温を下げる方法
犬が過ごす室内の温度を適切に保つことは、暑さ対策の基本です。エアコンが使えない環境でも、日差しや風の通りを工夫すれば、室温の上昇を防ぐことができます。ここでは、犬のために取り入れやすい室温管理の方法を紹介します。
遮光・通風の工夫
まず行いたいのが、日中の日差しを遮る対策です。遮光カーテンやすだれを窓に設置することで、室内に熱がこもるのを防げます。とくに東向き・西向きの窓からは強い日差しが入るため、朝と夕方の時間帯の対策が効果的です。
また、風通しの確保も重要です。窓を2か所以上開けて対角線に風が抜けるようにすると、自然な空気の流れが生まれます。扇風機やサーキュレーターを併用すれば、より効率的に空気を循環させることができます。
床に近い空間を活かす
熱気は上へ、冷気は下へとたまる性質があります。そのため、犬の寝床やくつろぐ場所を床に近い位置に設置することも有効です。タイルやフローリングなど、ひんやりした素材の床を活かせば、自然な形で体温の上昇を防ぐことができます。
このように、エアコンがなくても空間の使い方を工夫することで、犬にとって過ごしやすい環境をつくることが可能です。
冷却グッズを使って体を直接冷やす
室温の管理に加えて、犬の体を直接冷やす工夫を取り入れることで、暑さ対策の効果はさらに高まります。ここでは、エアコンが使えないときでも役立つ冷却グッズや、家庭でできる簡単な冷却方法について解説します。
冷感マット・タオル・ベストの使い方
冷感マットは、床に敷くだけで犬が自然に涼しい場所を選んで休める便利なアイテムです。アルミ製やジェル素材など種類が豊富で、電源を使わず手軽に取り入れられます。普段の寝床やケージに設置するのがおすすめです。
また、保冷剤を入れて使うクールベストも効果的です。屋内外問わず使えるため、散歩や移動時の暑さ対策にも適しています。首元や胴回りを重点的に冷やせるデザインが多く、短時間の使用に向いています。
さらに、濡らしたタオルやガーゼを犬の首やお腹にあてる方法も、気化熱を利用した自然な冷却法として有効です。
使用時の注意点
冷却グッズを使う際は、低温やけどや湿気による皮膚トラブルに注意が必要です。とくに保冷剤はタオルにくるみ、直接肌に触れないようにしましょう。また、濡れタオルを長時間使用する場合は、定期的に取り替えて皮膚を清潔に保つことが大切です。
犬がグッズを嫌がっている様子が見られた場合は、無理に使用せず、他の冷却方法へ切り替える柔軟さも求められます。体を冷やす対策は、犬の性格や好みに合わせて選ぶことが快適な夏のサポートにつながります。
留守番中にできる暑さ対策の工夫
飼い主が外出中にエアコンを使えない環境では、犬が安全に過ごせるよう十分な暑さ対策を講じる必要があります。とくに日中は室温が急上昇しやすく、油断すると熱中症などのリスクが高まります。ここからは、留守番中に実践できる工夫を紹介します。
水分管理と空気の循環
まず欠かせないのが水分の確保です。出かける前に複数の水飲み場を用意し、自動給水器や倒れにくいボウルを使って、常に新鮮な水が飲める状態を保ちましょう。氷を数個入れておくと、多少の冷却効果も期待できます。
空気の循環も重要です。可能であれば、風が通る窓を2か所以上開け、扇風機やサーキュレーターで空気を動かしましょう。防犯や脱走対策として、窓ストッパーや網戸ロックの併用も忘れずに行ってください。
見守りグッズや預け先の検討
長時間の外出時は、犬の様子を確認できるペットカメラの設置もおすすめです。温度センサー付きの機種であれば、室温の変化を遠隔で確認でき、異変があればすぐに対処できます。
もし家の環境での暑さ対策に不安がある場合は、一時預かりサービスやペットホテルの利用も検討しましょう。暑さが厳しい日や、急な外出が避けられないときに備えて、あらかじめ預け先をリストアップしておくと安心です。
犬がひとりで過ごす時間も、事前の準備と環境づくりで安全性を高めることができます。

暑さ対策に役立つ便利グッズ6選
暑さが厳しい時期でも、犬が快適に過ごせるよう工夫されたアイテムは多数あります。エアコンが使えない環境下で役立つ、実用的な便利グッズを紹介します。
冷却マット
サイズ:50長さ x 40幅 x 2厚み cm
Pawtasy「ひんやりマット」は、通気性と冷却性に優れた夏用のペットマットです。圧力がかかることで犬猫の身体の熱を吸収するジェル冷感素材で作られているため、冷やしたりする必要はありません。Sサイズは小型犬や猫に適しており、日常使いしやすい設計です。10〜15分使用していないと自動的に再び冷たくなるので、お留守番でも冷たさを保っていられます。
サイズ:50長さ x 40幅 x 1厚み cm
Angelpetの「ペットひんやりマット犬」は、ジェルタイプの冷却マットで、犬が乗るだけで体感温度を約9℃も下げ、ひんやり感を得られる仕様です。表面の防水性が高く、汗や尿がしみこむのを防ぎます。暑さが気になる場所に1枚敷くだけで暑さ対策が始められます。
ファン
サイズ:36奥行き x 36幅 x 87高さ cm
コイズミの扇風機は、3段階風量調節と首振り機能、タイマーも搭載したスタンダードな扇風機です。音が静かで、羽が大きいため風量が強めで、室内の空気をしっかり循環させたい場面に適しています。シンプルな構造で操作も簡単、寝ている犬に直接風を当てない位置での使用に向いています。
サイズ:18.4奥行き x 25.2幅 x 25.6高さ cm
アイリスオーヤマの「サーキュレーター」は、静音性とコンパクト設計が魅力のサーキュレーターです。上下左右に首を振るタイプ、風量も5段階に設定できるのでパワフルに風が循環できます。ケージ周辺や部屋の換気用として使いやすいモデルで、暑さ対策に加え、空気のこもり防止にも役立ちます。
クールベスト
「COOLお散歩ベスト」は、水で濡らして使うタイプのクールベストで、冷たいベストが体を包んで冷やしてくれます。乾いてしまうと冷却効果はなくなってしまいますが、体を直接冷やせるアイテムなので、一時的に犬の体温を下げられます。犬の体に簡単につけやすい行動になるので、散歩の際にもおすすめのアイテムです。
SHUUMEEKAの「犬用クールベスト」は、冷感素材を使用し、夏の強い日差しから犬の体を守る構造になっています。軽量で通気性が高く、保冷剤不要で見ずに濡らして、良く絞り犬に着せるだけなので、気軽に使える点が魅力。冷却を強めたい場合は、水につけてから冷蔵庫に10分置きましょう。洋服のように着せるだけなので、慣れていない犬にも導入しやすく、日中の外出時にも対応可能です。
まとめ|犬の暑さ対策は工夫と観察がカギ
エアコンが使えない環境でも、犬が快適に過ごせる空間は工夫次第でつくることができます。遮光や通風、冷却グッズの活用、水分管理など、複数の対策を組み合わせることがポイントです。特に短頭種・老犬・子犬のように暑さに弱い犬に対しては、過ごす時間帯や環境をより丁寧に整えてあげる必要があります。
ただし、暑さ対策はグッズに頼るだけでは不十分です。冷感マットやベストは便利な一方で、長時間の使用や皮膚の湿気には注意が必要です。使用後は皮膚の乾燥や清潔を保ちましょう。また、給水していても脱水症状を起こすことがあるため、日々の尿の状態や様子を観察し、少しの変化も見逃さないことが大切です。
散歩の時間帯にも配慮し、炎天下や熱い地面を避けることも忘れてはいけません。「いつもと違う」行動や息づかい、食欲の変化が見られた場合は、暑さによる体調不良のサインである可能性があります。
犬の健康を守るためには、環境づくりと同じくらい「観察」と「気づき」が重要です。飼い主の目配りと気配りが、暑い季節を安全に乗り越えるための最大のサポートとなります。
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▼参考文献
All Animal Hospital Group.“犬と猫の体温調節はどのように行われているか知っていますか?”.https://www.wizoo.co.jp/infomation/disease/2023/8796/(参照 2025-06-16)
熱中症ゼロへ.“犬や猫を飼っている人”.https://www.netsuzero.jp/learning/le09(参照 2025-06-16)
みんなのブリーダー.“犬のためにエアコンはつけっぱなしにしたほうがいい?設定温度は?”.https://www.min-breeder.com/magazine/28(参照 2025-06-16)