「猫のシステムトイレにデメリットはあるのでしょうか?」
「猫トイレは砂とシステムどちらが良いですか?」
猫と暮らすうえで欠かせないトイレ選びは、清潔さだけでなく猫の快適さやストレスにも影響します。掃除の手間を減らせる・臭いを抑えられるといったメリットから、システムトイレを使う家庭が増えています。しかし、すべての猫に合うわけではなく、デメリットもあります。
この記事では、猫のシステムトイレを使うときに注意すべきデメリットやメリットに加え、猫が感じるストレス、快適に慣らすための工夫を解説します。システムトイレの導入を検討しているかたは、ぜひ参考にしてください。
※2025年10月14日時点の情報です。
猫のシステムトイレとは?基本構造とメリット
猫のシステムトイレは、上下2層構造でおしっこと固形物を分けて処理できるトイレです。上段には通気性のあるシステムトイレ専用の砂を敷き、下段には吸収シートをセットします。おしっこは砂を通って下段のシートに吸収されるため、砂が濡れにくく清潔さを保ちやすい仕組みになっています。
システムトイレの最大の特徴は「臭いが抑えられる」構造
猫のトイレで気になる臭いですが、システムトイレでは尿が下段に落ちるため、空気に触れる時間が短くなります。その結果、アンモニア臭の発生が抑えられるのが大きなメリットです。また、吸収シートを定期的に交換することで、部屋全体の臭い対策にもつながります。
掃除の手間を減らせて衛生的に使える
上段の砂は固まりにくいタイプが多く、固形物だけを取り除けばよい設計です。そのため、毎日の掃除が簡単で、砂の交換頻度も少ない点が支持されています。掃除の手間を減らしたいかたにとっては大きな魅力です。
猫砂が飛び散りにくく掃除が楽になる
システムトイレの砂は、一般的な猫砂よりも粒が大きく、重量があります。そのため、猫が砂をかくときにも周囲に飛び散りにくい構造です。また、システム砂は固まらないタイプが一般的なので、猫の足裏に砂が付きにくく、部屋の中に運ばれることも少なくなります。トイレ周りの掃除の手間を減らせる点も、多くの飼い主がシステムトイレを選ぶ理由のひとつです。さらに、砂が湿りにくいため、使用後もサラサラとした状態が保たれやすく、猫にとって快適なトイレ環境を維持できます。
猫用システムトイレの主なデメリット
システムトイレは便利な反面、使用時に注意しておきたい点もあります。ここでは、実際に使ってわかる主なデメリットを解説します。
猫によっては慣れにくく使わない場合がある
猫は環境の変化に敏感で、砂の感触やこれまでのトイレと異なると、排泄を我慢したり別の場所でしてしまうことがあります。特に、足裏の感触を気にする猫は細かい砂を好む傾向があるため、導入時は慣らす工夫が必要です。
専用砂やシートの交換にお金がかかる
システムトイレでは、専用の砂と吸収シートを定期的に交換しなければなりません。一般的な猫砂よりも価格が高めのことが多く、毎月の出費が少し増えると感じる場合があります。交換を後回しにすると臭いがこもりやすくなるため、清潔さを保つ費用をあらかじめ見込んでおきましょう。
尿量の確認が難しく体調変化に気づきにくい
固まるタイプの猫砂と異なり、システムトイレでは尿が吸収シートにしみ込むため、一回ごとの尿量が把握しにくいという欠点があります。尿の量や色の変化は健康のサインにつながるため、日々の観察を欠かさないことが大切です。
猫がシステムトイレで感じるストレスのサインと原因
猫は環境の変化に敏感な動物で、トイレの形状や砂の違いがストレスの原因になることがあります。特に、システムトイレに切り替えた直後は、猫の行動を注意深く観察することが大切です。
トイレを避ける・回数が減るなどの変化が見られる
システムトイレに慣れていない猫は、排泄の回数が減る、トイレの前でためらう、別の場所で排泄するなどの行動を見せることがあります。これは砂の感触や不快を感じているサインです。そのまま放置すると、排尿を我慢して膀胱炎などを引き起こすおそれがあります。
砂の感触が合わずにストレスを感じることがある
システムトイレの砂は通気性を重視して大きめに作られており、足裏への刺激が気になる猫もいます。これまで細かい砂を使っていた猫や神経質な性格の猫は、慣れるまでに時間がかかることもあります。
トイレの臭いや掃除の状態もストレス要因になる
吸収シートの交換を怠ると、下段にたまった尿の臭いが上がり、猫がトイレ自体を避ける原因になります。猫は嗅覚が非常に鋭いため、少しの臭いが残っても強い不快感を覚える場合があります。砂が湿った状態も苦手とするため、こまめな掃除が欠かせません。
多頭飼いでは縄張り意識によるストレスも
複数の猫でシステムトイレを共有していると、他の猫の臭いや使用状況を気にして使わなくなる場合があります。猫はトイレを「自分の領域」と考えるため、猫の頭数+1個のトイレを設置するのが望ましいです。
システムトイレのデメリットを軽減するための工夫
猫がシステムトイレに慣れない場合、少しの工夫で快適に使えるようになる場合があります。ここでは、猫のストレスを減らし、清潔に保つための具体的な方法を紹介します。
静かで落ち着ける場所に設置する
猫は音や人の動きを敏感に感じ取ります。トイレを通路や家電の近くに置くと、落ち着かず排泄をためらうことがあります。人通りが少なく静かな場所に設置すると、猫が落ち着いて使いやすい環境になります。あわせて、換気のよい場所を選ぶと臭いがこもりにくく衛生的です。
猫砂の種類や量を調整して好みに合わせる
システムトイレ専用の砂には、木製・おから・シリカゲルなど複数のタイプがあります。猫の好みはさまざまなので、少量ずつ試して落ち着ける砂を見つけることがポイントです。猫砂を厚めに敷くと足裏の感触がやわらぎ、抵抗なく使える場合もあります。
こまめな掃除で清潔さを維持する
吸収シートや砂を定期的に交換することで、臭いの発生を防げます。掃除の際は、下段トレーや通気部分の汚れも確認しましょう。交換を怠ると臭いが上がり、猫がトイレを避ける原因になります。清潔な状態を保つことが、猫にとっての快適さにつながります。
従来型トイレとの併用でスムーズに慣らす
どうしてもシステムトイレに抵抗がある場合は、以前使っていたトイレを一時的に残しておく方法もあります。徐々にシステムトイレへ移行することで、違和感を感じにくくなります。多頭飼いの場合は、それぞれの猫が好みのトイレを使えるように複数設置すると利用しやすくなります。
猫のシステムトイレはどんな人に向いている?向いていない?
猫のシステムトイレは便利な点が多い一方で、すべての家庭に適しているわけではありません。ここでは、実際の生活スタイルや猫の性格をふまえて、どんな人に向いているのか、またどんな人には不向きなのかを解説します。
システムトイレが向いている人
日中仕事などで家を空ける時間が長い人には、システムトイレが使いやすい傾向があります。尿がシートに吸収されるため、掃除の頻度を減らせるのが大きな利点です。忙しい家庭でも清潔さを保ちやすく、臭いが広がりにくい点も魅力です。
また、複数の猫を飼っている場合にも管理がしやすく、砂が湿りにくいため猫の足裏が汚れにくいという特徴もあります。
システムトイレが向いていない人
毎日のトイレ掃除をしっかり行いたい人や、猫の尿量や色をこまめに観察したい人には、システムトイレは少し使いにくく感じることがあります。尿がシートに吸収される構造のため、排尿の量を一目で確認するのが難しいためです。
また、細かい砂を好む猫や神経質な性格の猫は、システムトイレの砂を嫌がる場合があります。猫が落ち着かない様子を見せる場合は、従来型のトイレに戻すか、別タイプを試すとよいでしょう。
システムトイレ導入前に確認しておきたいこと
掃除の仕方や設置場所、交換費用などを事前に把握しておくと、使い始めてからのギャップを減らせます。特に、砂やシートの交換を定期的に続けられるかどうかを確認しておくことが大切です。生活リズムや猫の性格に合わせて検討すれば、ストレスの少ない環境を整えられます。
猫のお手入れしやすいおすすめシステムトイレ6選
猫の排泄環境を清潔に保つためには、トイレの構造や掃除のしやすさが重要です。ここでは、日常的に使いやすく、臭いや汚れを抑える工夫が施されたシステムトイレを紹介します。家庭の環境や猫の性格に合うタイプを選ぶ参考にしてください。
サイズ:幅40×奥行55×高さ43cm
主な素材:ポリプロピレン (PP)
「ニャンとも清潔トイレ システムトイレ本体ドームタイプ」は、ドーム型のカバーで砂の飛び散りと臭いの広がりを防ぐ設計です。専用チップは木材由来で抗菌・防臭加工が施されており、約1か月間清潔な状態を保てます。尿を吸収しても固まらず、砂の交換頻度を減らせる点も魅力です。猫が落ち着いて排泄できるよう空間設計されており、掃除も簡単に行えるため、初めてシステムトイレを使う家庭にも扱いやすいモデルです。
サイズ:70長さ x 47幅 x 35高さ cm
主な素材:ポリプロピレン
「デオトイレ本体セット [約1か月分 猫砂・シート付] 猫用トイレ本体 快適ワイド」は、広々としたワイドタイプで、体の大きな猫や複数飼育にも使いやすい設計です。砂が飛びにくく、猫が自由に体勢を変えても快適に過ごせます。下段には消臭シートを設置でき、尿をしっかり吸収してアンモニア臭を防ぎます。約1週間取り替え不要で、忙しい家庭でも衛生的に保てるのがポイント。シンプルなデザインでリビングにもなじみやすいシステムトイレです。
サイズ:幅48.5×奥66.5×高29.5cm
「【OFT】PeeWee エコビッグ グレー 本体+専用砂セット」は、木くずを圧縮した専用ペレットが尿を吸収し、自然に崩れて下段へ落ちる二重構造が特徴です。シートを使わずに衛生的に保てるため、環境にも配慮されたシステムトイレです。木製ペレットがアンモニア臭を中和し、強い臭いを抑えられます。上段のすのこ部分は取り外しが簡単で、水洗いもスムーズ。大型猫でも使いやすい広めのサイズ設計です。
サイズ:幅約40×奥行約50×高さ約23cm
主な素材:ポリプロピレン
アイリスオーヤマ 「ラクリーン システムトイレスターターセット オープンタイプ」は、開放感のあるオープンタイプで、猫が出入りしやすく圧迫感を与えません。吸収力に優れたシートとサンドがセットになっており、すぐに使い始められる点が便利です。通気性を確保しながら臭いを抑える構造で、毎日の掃除もスムーズに行えます。トレイ部分はシンプルな形状で洗いやすく、汚れがたまりにくい設計です。日常的な手入れを短時間で済ませたい家庭に向いています。
サイズ:43長さ x 37幅 x 35高さ cm
主な素材:プラスチック, ポリプロピレン (PP)
「RAKU 猫 トイレ スコップ付 上から猫トイレ ドーム ワイドサイズ」は、上と下の二カ所に開口部を設けた構造で、猫によって使い方を変えられるトイレです。猫が砂をかく際にも外に飛び散りにくく、部屋を清潔に保ちやすいのが特徴です。蓋に活性炭脱臭シートが付いていて、臭いが気になりにくい設計です。ドーム状のデザインで臭いの広がりを防ぎ、見た目もすっきりしています。
「【したてウンチもニオわない】デオトイレ脱臭ファン+ 本体セット ホワイトグレー」は、電動ファンによる脱臭機能を備えた高性能なシステムトイレです。内部の空気を循環させることで、尿や便の臭いを素早く吸着フィルターへ送り、室内に広がるのを防ぎます。フィルターは約3か月間使用でき、交換の手間を減らせます。さらに、専用砂とシートのセットで約1か月間清潔に使用可能。ホワイトグレーの落ち着いたデザインで、リビングにも設置しやすい点が魅力です。電源コード保護カバー付きで安全面にも配慮されています。
まとめ|猫のシステムトイレの特徴と選び方を理解して快適な環境に
猫のシステムトイレは、衛生面や臭い対策に優れた便利なアイテムですが、すべての猫や飼い主に合うとは限りません。吸収シートや専用の砂の交換サイクルを把握し、清潔を維持するための手入れを習慣化することが大切です。猫によっては砂の質感や匂いに敏感に反応する場合もあるため、使用を始める際は慎重に様子を見守りましょう。
また、導入を検討する際には、トイレの設置場所や掃除のしやすさも重要なポイントです。静かで落ち着ける場所に設置することで、猫がリラックスして排泄できるようになります。家族が多い家庭や仕事で留守がちの人には、掃除の手間を軽減できる構造が向いていますが、排尿の状態を毎日確認したい人には従来型トイレの方が適している場合もあります。
それぞれの生活スタイルや猫の性格に合わせて選ぶことで、ストレスの少ない環境を整えられます。トイレは猫の健康状態を知る大切なサインのひとつです。定期的に砂やシートの汚れ、排泄物の変化を観察し、異常がある場合は早めに動物病院へ相談しましょう。
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▼参考文献
たかつきユア動物病院.“【獣医師監修】猫にとってシステムトイレはストレス?!便利さの代償とは”.https://takatsuki-your-ah.net/feline_system_toilet/(参照 2025-10-09)