「猫は冬、暖房は必要ですか?」
「猫は何度まで寒さに耐えられるのでしょうか?」
冬になると、暖房を使わずに過ごす家庭もありますが、猫にとってもその環境が快適とは限りません。もともと猫は寒さにあまり強くなく、体温を一定に保つために多くのエネルギーを使います。特に短毛種や高齢の猫、子猫は体温調整が苦手なため、寒さ対策をしてあげることが大切です。
この記事では、暖房なしでも猫が冬を快適に過ごせるようにする工夫や注意点を紹介します。室内環境の整え方や食事の工夫など、今日から実践できる内容をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
※2025年10月28日時点の情報です。
冬に猫が感じる寒さの目安とは
寒くなると、猫がこたつや毛布の中に潜り込む姿をよく見かけます。その行動は、猫が寒さを感じているサインのひとつです。人と同じ室温でも、猫は体温が高いため、わずかな温度差で快適さが変わります。ここでは、猫がどのくらいの寒さを感じるのか、冬を暖房なしで過ごす際に知っておきたい目安を紹介します。
猫が快適に感じる温度と寒さを感じる温度
猫の平熱はおおよそ38〜39度と人より高めです。そのため、人が「少し肌寒い」と感じる室温でも、猫にとっては体が冷えやすい環境になります。猫が快適に過ごせる室温は20〜28度前後で、15度を下回ると寒さを感じるといわれています。冬の朝晩は気温が下がるため、室内の温度差にも注意が必要です。
寒がっているときの猫の行動サイン
猫が寒いときは、体を小さく丸めて眠る、動かずにじっとしている、毛を逆立てて体を膨らませるなどの行動が見られます。また、人に寄り添ってきたり毛布やこたつの中に入ってくることも。中には、震えたり、食欲が落ちたりする場合もあります。暖房なしで過ごしている場合、こうした行動が見られたら、早めに対策をしてあげましょう。
寒さに弱い猫のタイプ
猫の種類や年齢によっても、寒さの感じ方は異なります。短毛種や被毛の少ない猫、スフィンクスのような無毛種は特に冷えやすい傾向があります。子猫や高齢の猫も体温を保ちにくく、寒さの影響を受けやすいため注意が必要です。一方、長毛種や筋肉量の多い猫は比較的寒さに強いとされていますが、油断せず室内環境を整えることが大切です。
暖房なしで猫をあたためる環境づくり
冬の冷え込みが厳しい時期でも、少しの工夫で猫が快適に過ごせる環境を整えられます。猫はあたたかい場所を自分で見つけるのが得意ですが、部屋全体が冷えすぎると体調を崩すことがあります。ここでは、暖房を使わずにできるあたため方を紹介します。
日当たりを活かした居心地の良い場所を作る
太陽の光は自然の暖房です。猫が日向ぼっこできるように、日中はカーテンを開けて日差しを部屋に取り込みましょう。窓辺に毛布やクッション、窓ハンモックを置くと、温かさが長く保たれます。ただし、夕方以降は窓から冷気が入りやすいため、厚手のカーテンでしっかり閉めることがポイントです。日中と夜で環境を切り替えることで、無理なく快適さを維持できます。

毛布・段ボールを使った簡単ベッドの工夫
猫は狭くて囲われた空間を好みます。段ボールの中に毛布やフリースを敷くだけで、暖房がなくても熱がこもりやすい寝床になります。体温で空間があたたまり、自然な保温効果が生まれます。さらに、底に断熱マットを敷くと冷気を遮断でき、より快適です。電気を使わずに作れるため、安全性も高い方法です。

冷気を防ぐためのちょっとした工夫
部屋の冷えは、床や窓から侵入する冷気が原因になることが多いです。窓の下にタオルやクッションを置いたり、すきま風が入る場所をふさいだりするだけでも効果があります。フローリングの部屋では、ラグやマットを敷くと足元の冷えを防ぎ、猫の居場所もよりあたたかくなります。人が快適に感じる空間は、猫にとっても過ごしやすい環境です。
ただし、暖房をまったく使わずに過ごすのは現実的ではありません。猫が快適に感じる室温は一般的に20〜28℃ほどとされており、15℃を下回ると体が冷えやすくなります。特に子猫や高齢猫、短毛種は体温を保ちにくいため、完全に暖房を切ってしまうのは避けたほうが安全です。日中は日差しや毛布などで保温し、夜間だけ弱めに暖房をつけるなど、状況に合わせて工夫するのが理想です。
冬におすすめの猫用あたたかグッズ7選
暖房を使わなくても、工夫次第では猫の体を温めることができます。電気を使わずに保温できるタイプから、安全性に配慮した電気式まで、多彩なアイテムがそろっています。ここでは、猫の体質や生活環境に合わせて選べるグッズを紹介します。
安全&節電派におすすめ|電気を使わずにあたためるタイプ
電気を使わないタイプは、留守中にも使いやすいのが特徴です。自然なぬくもりが続き、節電にもつながります。特に子猫や高齢の猫など、長時間あたたかい環境を保ちたい場合に適しています。
主な素材:【専用カバー】 表生地:ポリエステル 中スポンジ:ポリウレタン 断熱材:ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(一部不織布使用)
【蓄熱剤】 ポリエチレングリコール
「貝沼産業 イヌ用 レンジでチンする新ユカホット ブラウン」は、電子レンジで温めるだけで使えるシンプルなペット用湯たんぽです。中のジェルが熱をゆっくり放出し、電気を使わずにあたたかさを維持します。繰り返し使えるため経済的で、コードレスなので留守中の使用にも取り入れやすい設計です。猫ベッドの下や毛布の中に入れるだけで、やわらかいぬくもりが広がります。
サイズ:50長さ x 40幅 x 1.5厚み cm
SunshineLifeのペットマットは、動物医療技術師が監修した7層構造の断熱・保温マットです。遠赤外線効果で体の芯からじんわり温まり、アルミシートとグラフェン素材が熱を逃がしません。洗濯して繰り返し使えるため、衛生面にも配慮されています。電気を使わずに関節の冷えを和らげるのに役立ちます。
サイズ:50長さ x 40幅 x 15厚み cm
主な素材:ポリエステル
IMA HOMEのペットソファーは、宇宙服にも使用されるエアロゲル素材を採用した高断熱の猫ベッドです。内部にアルミシートを組み込み、熱を反射して保温力を高めます。ふわふわのクッションが体を包み込み、静電気防止や抗菌防臭加工も施されています。洗濯機で洗って清潔に使えるのもポイントです。
サイズ:30長さ x 60幅 x 26.5高さ cm
主な素材:フランネル, メッシュ
※25kgの吸盤耐荷重試験にクリアしていますが、窓へお負担などお考慮し15kg以下でご使用ください。
窓に取り付ける吸盤式の猫用ハンモックです。冬は日差しをたっぷり浴びられる特等席になり、リバーシブルマットで季節に合わせた使い分けができます。吸盤は6つ付いている強力タイプで安定感があり、90日間の保証付き。電気を使わず、太陽の熱を活かしたエコな暖かアイテムです。
寒がり猫・冷え性対策におすすめ|電気で温めるタイプ
短毛種や寒冷地に住む猫には、温度を調節できる電気式が便利です。安全機能を備えた製品を選ぶことで、火傷や感電の心配も少なく、寒い夜も快適に過ごせます。
6段階の温度調節とタイマー機能を備えた電気式のペット用カーペットです。噛みつき防止のコードや過熱防止センサーを搭載し、安全性に配慮されています。カバーは取り外して洗えるため衛生的で、猫が長時間くつろいでも快適です。Lサイズ(70×40cm)は多頭飼いにも適しています。
サイズ:45長さ x 25幅 x 0.5厚み cm
主な素材:ポリエステル
持ち運びできるコンパクトタイプのホットカーペットです。日本製コイルを使用しており、3段階の温度調節が可能。噛みつき防止のためコードはジッパーで隠せ、万が一断線した際の低出力設計など、安全性にも配慮されています。モバイルバッテリーで温められるので、キャリーやベッドの中に設置でき、移動中でも快適なあたたかさを保てます。
サイズ:45×15×36.5cm
主な素材:ポリエステル, ポリ塩化ビニル(PVC)
「マルカン ネコ用遠赤外線にゃ んこの和みこたつ Mサイズ」は、猫が中で丸まってくつろげる本格的な遠赤外線ヒーター付きこたつです。天板の上もほんのり温まり、猫が上と下の両方で使える設計になっています。こたつ布団が熱を逃がしにくく、内部はじんわりとした遠赤外線のぬくもりで快適。机の表面の温度は34℃前後となるので、やけどの心配もありません。部屋になじむ木目調デザインで、インテリア性も高いアイテムです。
食事と健康管理で猫の体温を守る
冬は気温が下がるだけでなく、運動量や食欲にも変化が出やすい季節です。暖房なしの環境では、猫自身が体温を維持するためにより多くのエネルギーを必要とします。体の内側から温める工夫や、日常の健康管理を意識することで、寒い季節も過ごしやすくなります。
冬はエネルギー量を少し増やす
寒い時期は、体温を保つために基礎代謝が上がります。そのため、いつもと同じ量では足りないこともあります。体重を見ながら、普段より1割程度フードを多めに与えるとよいでしょう。また、消化の良いウェットフードを混ぜると水分も一緒に補給でき、食欲が落ち気味のときにも食べやすくなります。
温かい水分補給で体の中からぽかぽかに
寒いと水をあまり飲まなくなる猫も多く、脱水や尿路トラブルの原因になることがあります。常温または人肌程度に温めた水を用意すると、自然に飲む量が増えます。スープタイプのおやつを与えるのも効果的です。水飲み場を複数設置し、飲みやすい環境を整えてあげましょう。
こまめなブラッシングと体調チェック
毛づくろいが減る冬場は、抜け毛や毛玉が溜まりやすくなります。定期的にブラッシングを行い、血行促進と体の温まりをサポートしましょう。合わせて、触れたときに冷たく感じる・動きが鈍いなどの変化があれば、体調が冷えによって崩れている可能性があります。元気や食欲をチェックし、異変があれば早めに動物病院へ相談してください。
寒さから守るために避けたいこと
猫は自分で快適な場所を見つけるのが得意ですが、冬の寒さは思わぬ危険を招くこともあります。暖房を使わない環境では、冷えすぎや結露による湿気などにも注意が必要です。ここでは、猫を寒さから守るために避けたい行動や環境を紹介します。
窓際や床付近の冷えに注意する
冬の窓際は外気の影響を受けやすく、体温を奪いやすい場所です。特に夜間は冷気が流れ込みやすいため、ベッドや寝る場所を窓から離して設置しましょう。また、フローリングの床は冷えが直接伝わるため、カーペットやマットを敷いて断熱すると、冷えを抑えやすくなります。小さな段差でも冷気が遮られ、猫が落ち着いて過ごせる空間になります。
換気不足による冷えと湿気に注意
寒さ対策のために窓を閉めきると、室内の空気がこもり湿度が下がります。乾燥した空気は被毛の静電気を起こしやすく、皮膚トラブルの原因にもなります。短時間でも構わないので、日中の暖かい時間帯に窓を開けて換気を行いましょう。新鮮な空気が循環することで、猫の呼吸器にも良い影響を与えます。
急な温度変化を避ける
暖房を使わない生活でも、室温の急激な変化は避けたいポイントです。暖かい場所から冷たい場所への移動を繰り返すと、体温調整が追いつかず、関節痛や体調不良につながることがあります。日中と夜間の温度差が大きい家では、厚手のカーテンや断熱シートを活用し、部屋全体の温度をできるだけ一定に保つよう工夫しましょう。
まとめ|暖房なしでも猫が快適に過ごせる冬の工夫
猫は寒さにそれほど強くない動物ですが、環境を整えれば暖房なしでも快適に過ごせます。日当たりの良い場所を活用したり、段ボールや毛布でぬくもりのある寝床を作ったりするだけでも体感温度は大きく変わります。
また、電気を使わずに保温できるマットやベッド、日差しを取り込む窓用ハンモックなどを取り入れるのも効果的です。寒がりな猫や短毛種の場合は、安全機能のついたホットカーペットを利用し、低温やけどに注意しながら調整して使うとよいでしょう。
食事や水分の摂り方も大切で、温かい食事や常温の水を用意することで体の内側からも温められます。あわせて、こまめなブラッシングや健康チェックを行い、冷えによる不調を防ぐことがポイントです。
寒さを防ぐ工夫を積み重ねることで、猫が落ち着いて眠れる冬の環境を整えられます。猫の様子をよく観察しながら、その子に合った過ごし方を見つけてあげてください。
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▼参考文献
しらさき動物病院.“猫の体温について”.https://www.shirasagi-ah.com/cat-care/cbt/(参照 2025-10-28)
加藤動物病院.“見落とさないで!愛猫の「寒い」サイン”.https://www.katoh-vet.jp/_cms/339/(参照 2025-10-28)
かやま動物病院.“犬や猫の寒さ対策|寒いと起こるトラブルも解説”.https://www.kayama-ah.jp/17031433099883/(参照 2025-10-28)
PETOKOTO.“【獣医師解説】猫に暖房はいらない?設定温度や留守中の注意点、暖房代わりの寒さ対策を紹介”.https://petokoto.com/articles/892(参照 2025-10-28)
西調布犬猫クリニック.“寒さ対策 ~冬を快適に過ごそう⛄️~”.https://www.nishi-chofu-dcc.com/blog/2459/(参照 2025-10-28)
ゆうり動物病院.“冬の猫は水を飲まない…飲水量を自然と増やす方法とおすすめのトイレ環境”.https://yuri-ah2022.com/news/detail/20230111150828/(参照 2025-10-28)





