「外で飼っている犬の暑さ対策は?」
「日陰はあるけど、これで十分なのか不安」
そんな悩みを抱える飼い主もいますよね。
外飼いの犬は、日差しや気温の影響を直接受けやすく、室内に比べて暑さ対策がより重要になります。特に日本の夏は高温多湿で、犬にとって過酷な環境です。
この記事では、外飼いの犬が暑い夏を少しでも快適に過ごせるようにするためのグッズや工夫を紹介します。熱中症のリスクを減らすために、実用的で取り入れやすいアイテムをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
※2025年7月11日時点の情報です。
外飼いの犬が夏に直面する暑さリスクとは
外で飼育されている犬は、夏場にさまざまな暑さのリスクにさらされます。特に日本の夏は、高温と多湿が重なり、犬の体に大きな負担をかけます。屋外ではエアコンの効いた室内と違い、体温を調整しにくくなるため、飼い主による環境調整が不可欠です。
直射日光や地面の照り返しが犬に与える影響
日陰のない場所では、犬は直接日差しを受けるだけでなく、アスファルトやコンクリートからの照り返しによってさらに体温が上昇します。肉球は地面の熱を敏感に感じ取る部分であり、火傷のようなダメージを受けることもあります。また、柴犬や秋田犬、シベリアンハスキーのように被毛が密でダブルコートの犬種では、熱がこもりやすく、体調を崩しやすい傾向があります。
熱中症や脱水症は命にかかわるリスク
犬は人間と異なり、汗をかいて体温を調節することができません。主に口からの呼吸(パンティング)で熱を逃がしますが、高温多湿の環境下では十分に体温を下げられないため、熱中症に陥るリスクが高まります。また、水が不足した状態が続くと脱水症にもつながり、ぐったりしたり嘔吐するなどの症状が見られることもあります。
外飼い犬に必要な暑さ対策の基本
外飼いの犬にとって、夏を乗り切るためには環境全体を見直した対策が重要です。エアコンが使えない屋外では、直射日光を遮る工夫や水分補給の確保、地面の熱から守る工夫など、複数の視点から対応することが求められます。ここでは基本となる3つのポイントを紹介します。
直射日光を避けるための環境づくり
犬が1日の多くを過ごす場所に、必ず日陰を確保しましょう。犬小屋がある場合も、屋根部分が暑さで高温になりやすいため、遮熱シートや遮光ネット、すだれなどで覆うことで内部の温度上昇を抑えられます。木陰がない場所では、大型のパラソルやサンシェルターを設置して人工的に日陰を作ることも効果的です。
水分補給をこまめにできる環境を整える
犬がいつでも新鮮な水を飲めるように、水入れは常に清潔に保ち、直射日光が当たらない場所に設置することが重要です。真夏は水の温度が上がりやすいため、保冷機能のある断熱容器や、自動給水器の導入も検討すると良いでしょう。1日に何度か水を入れ替える習慣も、脱水症の予防につながります。
地面からの熱への配慮も忘れずに
アスファルトやコンクリートは、晴天時には60℃以上になることもあり、犬の体に直接熱が伝わってしまいます。犬が横になる場所は、日陰になる土や芝生のスペースを確保するのが理想です。地面がコンクリートの場合は、すのこや人工芝などを敷いて地面との接触を避けましょう。
また、冷感グッズを使う場合は注意が必要です。アルミプレートのような金属系の冷却用品は、直射日光の当たる場所では逆に高温になるおそれがあります。使用する際は、必ず犬小屋の中や日陰など、直射日光が当たらない場所に限定し、犬が自分の意思で乗り降りできるように配置することが大切です。
外飼い犬の暑さ対策に役立つおすすめグッズ7選
外飼いの犬は、夏の厳しい暑さに長時間さらされやすいため、飼い主による対策が不可欠です。ここでは、直射日光の遮断や水分補給、地熱の対策などに役立つグッズを紹介します。設置場所や犬の性格に合ったアイテムを選び、少しでも快適に過ごせる環境を整えましょう。
サイズ:2長さ x 1幅 m
素材:アルミニウム, ポリエチレン (PE)
山善「日よけシェード BRGS-1020」は、外飼い犬のスペースに日陰をつくるのに適している遮熱グッズです。UVカット率は約70%で、強い直射日光をしっかり防ぎ、涼しい空気を通す「涼風設計」になっています。ハトメが8箇所にあり、付属のロープで簡単に固定できるため、犬小屋の屋根やフェンスにも応用可能。手洗いやブラシで洗えるので、夏の長期使用に清潔さを保ちながら使えるアイテムです。
ノムラテックの「天津すだれ 特大 88×180cm」は、和の素材感を活かした風通しの良い日除けアイテムです。サイズは88×180cmの特大仕様で、犬小屋の入口やフェンスに掛けることで、強い日差しを和らげつつ通気性も確保できます。天然のすだれは風を妨げないため、熱がこもりにくく、蒸し暑さ対策としても有効。取り外しも簡単で、雨の日はすぐに片付けられる柔軟性があります。
サイズ:長さ500cm×幅100cm×厚さ8mm
素材:アルミフィルム, 発砲ポリエチレン
cukulifeの「両面アルミ断熱シート」は、犬小屋の屋根や壁に貼ることで断熱効果を高められるアイテムです。幅100cm・長さ10mと大判サイズで、屋根全面や日除けスペース全体を覆うことも可能。両面が反射性の高いアルミ素材で加工されており、太陽の熱や光を跳ね返して、犬小屋や日陰スペースの温度上昇を抑える効果があります。自由にカットできるため、どんなスペースにもフィットしやすい点も魅力です。
SCHITECの「給水器」は、こぼれにくい設計が特徴の大容量給水ボウルです。外飼い環境では風や虫、傾きによる水漏れが起こりやすいですが、縁の設計によって水があふれにくく、清潔な状態を保ちやすくなっています。防錆素材でお手入れも簡単。安定感のあるフォルムで倒れにくく、日陰に置いておけば犬がいつでも水分補給できる環境を整えられます。
サイズ:約50x90cm
Peto-Raifuの「ひんやりマット」は、冷感ジェルを内蔵した敷くだけの簡単冷却マットです。サイズは50×90cmで、中小型犬が体を伸ばして涼める設計になっています。外飼いの場合は、必ず日陰か犬小屋の中に敷いて使用しましょう。通電不要で繰り返し使え、防水仕様なので水拭きで簡単にお手入れできます。夏場の熱中症対策に役立つ、導入しやすいアイテムです。
JARDINの「人工芝 防草シート一体型」は、外飼いスペースの地熱対策と衛生管理を両立できるグッズです。厚みのある芝で地面の温度上昇を抑えつつ、草の繁殖を防いで快適な足元環境を整えられます。水はけが良く、排尿や雨のあとも水がたまりにくいため、カビや虫の発生を抑えやすい点もポイント。犬がくつろぐ場所としてもおすすめです。
FRENCH FRENCHの「クールネック」は、保冷剤を内蔵できる首元用冷却アイテムです。防水構造と洗濯機で洗える仕様で、冷却効果と使いやすさの両立を実現。リード穴もあるため、散歩時にも使用可能です。犬が嫌がりにくい軽量設計で、取り付けも簡単。屋外での生活では、体の熱を効果的に逃がせるよう、朝晩の着用や休憩中に使うなど工夫するとよいでしょう。
暑さ対策グッズを使う際の注意点と安全性
暑さ対策グッズは外飼い犬にとって有効ですが、使用方法を誤ると逆効果になることもあります。安全に活用するためには、設置場所や素材、犬の性格に合わせた使い方が重要です。以下に気を付けるべきポイントを整理しました。
直射日光や高温になる場所での使用に注意
冷却マットやアルミ素材のシート類は、直射日光が当たると逆に熱を吸収し、高温になるリスクがあります。特に金属製のプレート類は、夏場の直射日光下で火傷の原因になる恐れがあるため、必ず日陰や犬小屋の内部など涼しい場所に設置してください。犬が自ら乗るかどうかを観察し、嫌がるようなら別の方法を検討しましょう。
誤飲や破損のリスクを事前にチェック
冷感グッズの中にはジェルや保冷剤を使用した製品もあります。かじり癖のある犬が中身を誤飲してしまうと危険なため、使用前に必ず耐久性や構造を確認しましょう。また、クールベストやクールネックなどの装着グッズは、首輪やリードと干渉しないかどうかも重要です。強く締めすぎないよう調整してください。
犬の様子をよく観察しながら使う
どんなに優れたグッズでも、犬の個性に合わなければ効果を発揮しにくくなります。暑さ対策グッズを導入した後は、実際に使っているか、嫌がっていないか、暑さによる行動変化が見られないかをこまめに確認してください。とくにシニア犬や体調を崩しやすい犬は、グッズだけでなく環境全体の調整が求められます。
外飼いでも快適に過ごすための生活習慣と工夫
暑さ対策グッズを使うだけでは、夏の屋外環境を完全に快適にすることはできません。日々の習慣や飼い主の関わり方も、犬の健康を守るうえで重要な役割を果たします。以下のような工夫を日常に取り入れることで、外飼いでも犬が穏やかに過ごせる環境づくりが可能になります。
散歩や食事の時間帯を見直す
夏場は日中の気温が高いため、散歩は早朝や日没後など涼しい時間帯に行うようにしましょう。アスファルトの熱も冷めている時間を選ぶことで、肉球の火傷を防げます。食事も暑さによって食欲が落ちやすいため、朝晩の気温が低い時間に与えることで、食いつきが良くなる場合があります。
毎日の体調観察を習慣にする
犬は暑さで体調を崩しても、すぐには症状に表れないことがあります。呼吸が荒くないか、水を飲む量が極端に増減していないか、ぐったりしていないかなど、毎日少しずつでも観察することが大切です。少しでも異変を感じた場合は、迷わず動物病院に相談してください。
猛暑日は一時的な屋内避難も視野に入れる
真夏日や熱帯夜が続く時期には、外飼い環境が犬にとって命の危険を伴う場合もあります。外飼いに慣れている犬の場合、急に室内へ移すと環境の変化に戸惑うこともありますが、熱中症のリスクが高まる状況では、安全を最優先に考える必要があります。
ただし、ストレスを軽減するには室内環境に段階的に慣らすことが大切です。最初は玄関や風通しの良い廊下など、外の環境に近いスペースで短時間過ごさせ、徐々に滞在時間を延ばすとよいでしょう。飼い主のにおいがついたタオルや安心できるクレートを用意しておくと、犬が落ち着きやすくなります。
室内避難は「完全な室内飼育」ではなく、あくまで一時的な緊急対応としての選択肢です。犬の体調と気温に応じて、柔軟に取り入れていきましょう。
まとめ|外飼いの犬も夏を快適に!暑さ対策は環境と工夫がカギ
外飼いの犬にとって、夏は命に関わる厳しい季節です。日差しや地熱、湿度といった屋外特有の条件にさらされるため、飼い主による暑さ対策は必須です。本記事では、遮光グッズ・冷感マット・水分補給アイテムなどの役立つ商品と、効果的な活用法を紹介しました。
また、道具だけに頼るのではなく、散歩や食事の時間帯の見直し、日々の体調観察、そして必要に応じた屋内避難などの工夫も重要です。とくに猛暑日には、室内への一時避難を柔軟に検討することで、犬の健康と命を守ることにつながります。
「外で飼っているから大丈夫」と思わず、環境の変化に合わせた対策を講じることが、愛犬との健やかな夏の暮らしを支える第一歩です。
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▼参考文献
栃木県動物愛護指導センター.“犬は暑さに弱い 早めの暑さ対策を!熱中症から犬を守ろう”.https://www.douai.pref.tochigi.lg.jp/20240507_1/(参照 2025-07-11)
いぬのきもち WEB MAGAZINE.“犬が暑がっているとき体に水をかけてもOK? 夏の熱中症対策を獣医師に聞いてみた”.https://dog.benesse.ne.jp/withdog/content/?id=163407(参照 2025-07-11)