「犬の早食い防止食器は、効果があるのか?」
「早食い防止食器の中でも陶器製を探しているけれど、どれがいいのだろう?」
愛犬の早食いは、消化不良や吐き戻し、肥満などの健康リスクを引き起こす可能性があります。
その対策のひとつとして、「陶器製の早食い防止食器」があげられます。適度な重みで食器が動きにくく、凹凸のあるデザインが特徴です。
この記事では、陶器製の早食い防止食器のメリット・デメリット、選び方のポイント、おすすめ商品、お手入れ方法、さらなる早食い防止の工夫などを詳しく解説します。愛犬の健康と快適な食事時間のために、ぜひ参考にしてください。
※2025年5月2日時点の情報です。
陶器製の早食い防止食器を使う4つのメリット
陶器製の早食い防止食器は、犬がゆっくり食事をする習慣を身につけるのに効果的です。陶器ならではの特徴が、犬と飼い主双方にとってメリットになります。ここからは、具体的なメリットを4つご紹介します。
- 適度な重みでずれにくい
- 匂い移りが少なく、清潔に保ちやすい
- アレルギーの心配が少ない
- 食洗器や電子レンジ対応が多く便利
適度な重みでずれにくい
陶器製食器の特に大きなメリットは、ずれにくい安定感です。プラスチックなどの軽い食器だと、犬が勢いよく食べた際に食器が滑ってしまい、犬が食器を追いかけながら食べることになりがちです。
一方、陶器製の食器は重さがあり、犬が勢いよく食べても簡単に動きません。そのため、犬が落ち着いて食事に集中できる環境が整います。落ち着いて食事ができることで、早食いや食後の嘔吐などのリスクを軽減できます。
匂い移り少なく、清潔に保ちやすい
陶器は表面が滑らかで緻密な素材のため、食べ物の匂いや油分が浸透しにくいです。プラスチック製だと傷がつきやすいため食器に匂いや色素が残りやすく、何度洗っても取れない場合がありますが、陶器であれば簡単に汚れが落ちやすいので、清潔な状態をキープできます。
アレルギーの心配が少ない
陶器製食器は、プラスチックに比べて素材が安定しています。プラスチック製の食器は、細かな傷から雑菌が繁殖しやすいです。また素材自体にアレルギーを引き起こす物質が含まれることもあります。
その点、陶器製は化学的に安定した素材であり、犬がアレルギー反応を起こすリスクが極めて低いとされています。口の周りが赤くなったり、痒がったりするトラブルも防げるため、皮膚やアレルギーの心配がある犬にも向いているでしょう。
食洗器、電子レンジ対応のものが多い
陶器製の食器には、食洗器や電子レンジに対応した製品が数多くあります。手洗いが面倒なときでも、食洗器に入れるだけで簡単にお手入れが完了します。また、電子レンジ対応の製品なら、フードを温めたり、冷蔵保存した食材を再加熱したりと便利な使い方も可能です。
食事準備や後片付けの負担を減らせるため、日々の暮らしをより快適にしてくれます。
早食い防止食器を使う3つのデメリット
陶器製の早食い防止食器のデメリットは、「割れやすいこと」です。
それ以外のデメリットは、陶器製にかかわらず早食い防止食器全般にいえるものが3つあります。
- 犬にとってストレスになる場合がある
- 食べ残しが多くなることがある
- 複雑な形状だと洗いにくい
デメリットを理解した上で、愛犬にとって本当に適しているのか検討しましょう。
犬にとってストレスになる可能性がある
早食い防止食器は、底面や内部に凹凸があり、犬がゆっくり食べるように作られています。しかし、これが逆に犬にとってストレスになってしまうケースもあります。
犬は群れで生活する習慣があるため、目の前の食事を取られないように早く食べる主性があります。そのため、食事が少なくなったり食べづらくなったりするとストレスにつながることがあります。
導入する際はまず少量のフードで試し、愛犬の反応を確認しながら徐々に慣らしてあげることが大切です。
食べ残しやすくなる
早食い防止食器は食べる速度を落とす構造のため、食べ物が隅に残りやすくなります。細かく深い溝や複雑な形状が多く、最後の一粒まで食べきるのに時間がかかったり食べきれなかったりすることがあります。
残ったフードは、捨てることになるので、食べ物を無駄にしてしまう可能性があります。食べ残しが多い場合は、フードの量や器の形状を再検討しましょう。
洗いにくい
陶器製の早食い防止食器は、その凹凸のある複雑な形状ゆえに洗いにくいという欠点もあります。溝や凸凹部分にフードが詰まると、手洗いでは汚れを落とすのに時間がかかってしまいます。
清潔さを維持するには、食洗器対応の製品を選ぶか、専用のブラシを使って丁寧に洗浄する必要があります。洗うことが億劫になってしまうと、衛生的に問題になる可能性もあるため、事前に洗浄方法を確認しておきましょう。
早食い防止食器の選び方
愛犬の早食いを改善するには、食器選びがとても重要です。特に陶器製の早食い防止食器は、形状や重さによって効果が大きく変わります。どのようなポイントで選ぶとよいのか、各ポイントを詳しく解説していきます。
- 凹凸が複雑なほど早食いを防げる
- 重みがあり、底が安定するものを選ぶ
- 愛犬のサイズに合った深さや大きさを選ぶ
- 洗いやすく清潔さを保ちやすいものを選ぶ
- 安全性が保証されいているものを選ぶ
凹凸の形状(早食い防止効果)
食器内部の凹凸が複雑であるほど、犬がフードを簡単に食べられなくなります。犬が舌や口先を上手く使ってフードを取る必要があるため、自然と食事のスピードが遅くなります。
しかし、凹凸が多すぎたり複雑すぎたりすると、犬がストレスを感じる場合があるため、愛犬がストレスなく食べられる程度に調整された形状のものを選ぶのがポイントです。
最初は凹凸がシンプルなものから試し、徐々に慣らしていくと失敗しにくいでしょう。
器の重さと安定性
陶器製の食器を選ぶ大きな理由の一つは、適度な重さによる安定性です。食器が動かないことで、犬が食事に集中しやすくなります。
軽すぎる食器だと、犬が食べている最中に食器が動き回ってしまい、かえって落ち着きをなくしてしまいます。犬が押したり舐めたりしても簡単に動かないよう、底面に滑り止め加工がされているものや、重みのある陶器を選びましょう。
食事の環境が安定すると、犬の食べ方も自然に落ち着いてきます。
サイズと深さ
食器のサイズや深さは、犬種や体の大きさに合わせて選びましょう。小型犬には浅めの器が適していますが、中型犬以上の犬種には深さがある程度必要になります。
小さい器を使うと食べづらく、大きすぎると食べ残しが多くなります。フードを適量入れたときに、余裕をもって食べられるサイズが理想です。
愛犬が食べている様子を見ながら、無理なく食べやすそうな深さと大きさのものを選びましょう。
お手入れのしやすさ
陶器製の早食い防止食器は凹凸が複雑なことが多いため、洗いやすさも大切なポイントです。フードの残りが溝に詰まりやすい構造だと、毎回の洗浄が負担になってしまいます。
食洗器対応の食器や、凹凸の溝が広めで洗いやすい設計のものを選べば、日々の管理がとても楽になります。清潔さを維持するためにも、手間が少なくきれいにできる食器がおすすめです。
安全性(素材や塗装)
食器は、犬が毎日口にするため素材の安全性は見逃せません。陶器製の場合、特に「鉛フリー」「無害な釉薬を使用」などの表示を確認しましょう。
陶器は安全性が高い素材ですが、安価な商品にはまれに鉛などの有害物質が含まれている場合もあります。必ず安全表示が明記されている、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
陶器製早食い防止食器皿のおすすめ4選
愛犬の早食い対策として有効な陶器製食器ですが、さまざまな商品があって迷ってしまうこともありますよね。ここでは、滑りにくく安定感があり、清潔さを保ちやすい陶器製の早食い防止食器を紹介します。愛犬に合った食器を選んで、安心で健康的な食事環境を整えましょう。
お皿に高さがある「高台タイプ」
「Petifam 陶器製早食い防止皿 ローズ」は、バラの花を模した凹凸デザインが特徴で、フードの丸飲みを抑え、食事のペースを自然にゆっくりにします。厚みのある陶器製で重さがあり、食事中に器が動きにくく安定感があります。また、電子レンジや食洗機、熱湯にも対応しており、日々のお手入れも簡単です。デザイン性と機能性を兼ね備えたこの食器は、愛犬の健康的な食習慣をサポートします。
「Bicieeel 小型犬・猫 専用早食い防止食器」は、小型犬が食事をゆっくり楽しめるように設計されています。内側の凸凹構造が食べる速度を自然に抑えます。さらに、手入れが簡単な単純形状で作られており、日々の清掃も手間がかかりません。また、お皿の縁の角度もこぼれにくい設計になっているので、早食い防止だけでなく食べ散らかし防止も防げます。また、取り外し可能な土台も付属でついているので、お皿を直置きでも台に乗せても利用できます。土台には滑り止めがついているので、滑りにくい設計です。
「西田(Nishida)ペット用食器」は、小型犬の早食いを防ぐために設計されています。内部の突起が食べにくさを演出し、食事のスピードを自然に抑えることで、消化を助けます。凹凸に深さがあるデザインなので、入れた量が多くても、早食い防止効果が期待できます。また、お皿に高さがあるので、食事中の首の負担が軽減されます。機能面だけでなくデザインもシンプルで、インテリアに馴染みやすいです。
お皿に高さがない「直置きタイプ」
「Hakope【陶器製】早食い防止 食器」は、肉球を模した内側の突起が特徴で、フードを取りにくくすることで、早食いを自然に抑えます。陶器製のため、重みがあり食器が動きにくく、食事中のストレスを軽減します。また、匂い移りが少なく、熱湯消毒や食洗機にも対応しているため、衛生的に保ちやすいです。シンプルで可愛らしいデザインは、インテリアにもなじみやすく、毎日の食事タイムを楽しく演出します。小型犬や猫に適したサイズで、吐き戻しや肥満の予防にも役立ちます。
陶器製早食い防止食器のお手入れの仕方
陶器製の早食い防止食器を清潔に使い続けるには、日々のお手入れがとても大切です。正しい洗い方と、気を付けるべき注意点を分かりやすく解説します。
毎日きれいにすることで、愛犬が安全で気持ちよくご飯を食べられる環境を作ってあげましょう。
- 凹凸部分の汚れは専用ブラシで落とす
- 洗った後は完全に乾燥させること
以下で詳しく見ていきます。
基本の洗い方(毎日やること)
陶器製の早食い防止食器は、毎回使った後すぐに洗いましょう。陶器の表面に付着したフードの油分や食べカスを放置すると、細菌が繁殖しやすくなり衛生的に良くありません。
凹凸部分は通常のスポンジだけでは汚れを落としにくいため、小型のブラシや歯ブラシなどを活用すると便利です。
手入れの際の注意点
陶器製早食い防止食器のお手入れでは、気を付けたいポイントがいくつかあります。
まず、洗浄時には強くこすり過ぎないよう注意しましょう。陶器の表面は傷つきやすいため、金属製のたわしなど固い素材を使うと細かい傷ができ、そこに雑菌が入り込む原因になります。
また、洗った後は完全に乾燥させてから使いましょう。湿った状態で保管するとカビが生える原因になり、健康面でもリスクがあります。
早食い防止効果を更に高めるには?
愛犬の早食い防止には陶器製の食器を使うだけでなく、食べ方そのものに工夫を加えることがとても重要です。ちょっとした工夫を心がけましょう。
- フードの量を減らし回数を増やす
- トッピングを加えて食べるスピードを調整する
- フードを器に広げて食べにくくする
- 食事にノーズワークを取り入れる
- 食事前に軽く運動させる
- 食事はリラックスできる楽しい時間にする
それぞれの方法について、詳しく紹介していきます。
フードの与え方を変える(分量&頻度)
早食いの主な原因は、1回の食事量が多すぎることです。一度に大量に与えると、犬は急いで食べようとするため、量を減らして食事の回数を増やしましょう。
たとえば、1日に2回の食事を3〜4回に分けるだけで、犬が食べる速度は自然に落ち着きます。また、毎日決まった時間に与えることで、犬が落ち着いて食事を待てるようになり、心理的な安定にもつながります。
トッピングで工夫する
ドライフードだけではどうしても早食いになりがちです。その際は、少しのトッピングが効果的です。
ウェットフードやゆで野菜などを混ぜることで食感が変化し、犬がゆっくり噛んで味わうようになります。特にキャベツやブロッコリーなど繊維質の多い野菜は咀嚼を促し、犬の満足感も高まります。
さらに取りにくくする「量と配置の工夫」
フードを食器の中で少し広げて置いたり、凸凹の食器の凹みに意識的に配置したりすると、食べるのに時間がかかり、自然と早食いが抑えられます。
また、少量ずつ何か所かに分けて配置することもおすすめです。犬が移動しながら食べるため、食事の時間が延び、自然と早食いが解消されます。
ノーズワーク要素を取り入れる
犬は本来、鼻を使って食べ物を探すことが得意です。この本能を刺激する「ノーズワーク」を食事に取り入れると、早食い防止に効果的です。
ノーズワークマットや専用の知育玩具を利用すると、犬はフードを探しながらゆっくり食べるため、早食いだけでなくストレスの軽減にもつながります。
食事前に少し運動させる
軽く遊んだり散歩をしたりするなど、食事前に少し運動させると犬の食べるスピードが自然とゆっくりになります。
軽い運動は犬の気持ちを落ち着かせ、食事に対する焦りを抑える効果があります。ただし、激しい運動は消化に悪影響を与えるため、あくまで軽い運動程度に留めておきましょう。
「食事=のんびり楽しい時間」と学習させる
犬が食事に焦るのは、食事の時間を楽しく安心できるものとして認識していないからかもしれません。飼い主が食事の際に穏やかな声で話しかけたり、食事をゆっくり待たせて褒めたりすることで、犬に「食事の時間は楽しい時間」と学習させることができます。
まとめ
愛犬が食事を勢いよく食べすぎると、吐き戻しや喉詰まりなどのトラブルにつながります。陶器製の早食い防止食器は、重みがあり滑りにくく、素材が安全でアレルギーリスクも低いというメリットがあります。愛犬の様子を見ながら適切な商品を選びましょう。
大切なのは、愛犬がストレスを感じず、楽しくゆっくり食事ができる環境を整えることです。今回紹介したポイントを参考に、愛犬にぴったりの陶器製早食い防止食器を選んでみてください。
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▼参考文献
獣医さん通信.“第13回 犬の病気 「接触性アレルギー性皮膚炎」 獣医師瀬戸口”.https://www.anicli24.com/column/dog-disease-20120111/(参照 2025-05-02)
MOFFME.“犬用早食い防止食器はストレスになる?適切な使い方や注意点を解説!”.https://moffme.com/article/1146(参照 2025-05-02)